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【東欧】東欧地域における「日本寿司」の進化

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本コラムでは、日本食の「寿司」をテーマに、東欧で「寿司文化」がどのように根付いているのかをお話したいと思います。読者の皆様に、異文化の新たな視点としてご興味を持って頂ければ幸いです。

外国人に「日本と言えば?」と聞くと、最初浮かぶのは「寿司」だと言ってもおかしくありません。
日本の「寿司文化」は世界に広がり、世界には、日本人の寿司職人が開いた本格的な寿司屋もあれば、現地人が作ったフュージョンの店もあり、中国人が運営している和食屋も少なくありません。
 先進諸国のアメリカや西ヨーロッパでは、寿司屋は珍しくありませんが、日本人に馴染みの薄い東欧ではどうでしょうか?

◆東欧6ヵ国の首都だけで数多くの寿司屋(和食やフュージョンフードを含む)を発見

「東欧」地域は広いため、今回6ヵ国の寿司屋を確認しました。
旧ソ連のロシア、ウクライナ、旧ユーゴスラヴィアのクロアチア、セルビアとコーカサス地域のジョージア(相撲力士 栃ノ心さんの出身地)、アゼルバイジャンを選び、各国の首都のみ集計しました。

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「寿司バー/レストラン」軒数について:
Tripadvisorの検索エンジンにより集計。
①ホームページ「レストラン」のタブ →②「施設タイプ」で「レストラン」と「バー及びパブ」をチェック ③「料理のジャンル」で「寿司」を指定し、該当した軒数を記載。(英語版での検索結果のため、日本語版と異なる可能性あり。)
英語では「Sushi Bar 寿司バー」という言葉がよく使われているため、施設タイプ「バー及びパブ」も検索対象とした。
なお、Tripadvisorではしばしば「寿司」とほかのアジア料理を混同している場合もあるため、上記集計はあくまでも参考である。

「現地通貨」について: 2021年7月現在レート

◆「日本の寿司」と「東欧の寿司」は、どう違う?

日本の寿司は「本来の素材を、そのまま味わう」という基本の概念があり、寿司に、ワサビと醬油をちょっぴりつけて食べるのが、日本の食べ方です。
では、東欧版の寿司はどうでしょうか?

① ウクライナ:299 UAH = 約1,210円、ウナギ、アボカド、タマゴ、生姜、ワサビ、のりの組み合わせた上、たっぷりウナギソースとゴマ

② セルビア:1,290 RSD = 約1,445円、カニ、マグロのスパイシーソース漬け

③ ジョージア: 19 GEL= 約670円、アボカド、きゅうり、クリームチーズ、タクアン、生姜、ワサビ(以下写真 左下)

④ アゼルバイジャン: 10.60 AZN = 約688円、鮭、エビ天ぷら、飛子、マヨネーズたっぷり、クリームチーズ

California salmon roll 8/4 ədəd 10.60/6.60 azn

Nori Sushi Barさんの投稿 2021年1月11日月曜日

⑤ クロアチア: 85 HRK = 約1,490円、サーモン、アボカド、フィラデルフィアチーズ、マンゴー、飛子、トロピカルソース、のり

⑥ ロシア: 430 RUB = 約652円 カニ、クリームチーズ、焼きモッツァレラチーズ、きゅうり、アボカド、うなぎソース

Сделать выбор бывает так непросто! 🙃 И мы вас понимаем: решить, что именно заказать из большого меню ВАБИ САБИ — задача...

ВАБИ САБИさんの投稿 2020年1月24日金曜日

以上をご覧いただいて分かるように、日本の寿司と比べ、本来の味や素材を楽しむのではなく、「味を加える・付ける」という傾向が強いようです。「クリームチーズ」、「ウナギソース」、「マヨネーズ」、「スパイシーソース」などを加える場合が多いことに気が付きました。

日本式の「寿司体験」のため、食べるのには箸が使われていますが、
メニューは箸でつかみやすい巻物(海苔巻き)が中心です。
また、店によってはきちんとお箸を持てるようになる補助道具も用意されていることもあります。
寿司は単純な「料理」ではなく、自国にいながら日本式の食体験ができるため流行したとも考えられます。

▼ 巻物(のりまき)

▼箸と箸置き

◆テイクアウト・宅配も普通に

コロナウイルス流行以前から寿司のテイクアウトや宅配は普通であり、コロナ以降さらに普及するでしょう。

▼テイクアウト用BOX

▼デリバリー用紙袋

▼テイクアウト用BOX(飲食シーン)

◆「日本=寿司」だけではなく、ほかの日本食や、日本商品もぜひ

お伝えした通り、「寿司」は既に東欧地域に浸透しており、日本といえば「寿司だ」と言っても過言ではありません。寿司や和食以外に、ほかの日本食やモノも、流行る素地はあると考えています。
次はどんな日本食・商品が流行るのでしょうか?私は楽しみにしています。

最後に、弊社グローバルリサーチは、コロナ禍でも、さまざまな方法で実施が可能です。
東欧だけでなく、世界各国市場に参入される際の市場調査(一般小売市場・業務用市場確認、消費者意調査など)は、ぜひインテージへご相談ください。

弊社では、グローバルビジネスに役立つ、海外生活者の「リアル」をお届けする情報サイトを運営しております。ご登録、ご利用は無料です。ぜひ一度ご覧ください。
https://www.global-market-surfer.com/


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    執筆者プロフィール
    Chen YonghuiHumphery(チェン ヨンフィハンフリー)

    私は、15年間インターナショナル・マーケティング・リサーチの経験があるハンフリーと申します。
    担当エリアは、主にアジアパシフィック、中近東とヨーロッパ諸国です。出身地は、シンガポールですが、人生の半分ぐらい出身地におらず、頻繁な海外出張を含めいくつかの国で生活してきました。その経験から異文化の面白さを強く感じています。

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    編集者プロフィール
    辰田 悠輔

    Global Market Surferのサイトづくりを担当。海外ご当地の寿司で好きなのは、鮭と胡瓜を使ったカナダの巻き寿司、BCロール。

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