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【中国】ゼロウェイストなライフスタイルを!中国初のコンセプトショップ「THE BULK HOUSE」

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繰り返し使用可能なクリーンな商品が店内に並ぶ

北京市内にある中国初の「ゼロウェイスト」をコンセプトにした「THE BULK HOUSE」(零浪費包装商店)」では、2018年より消費者へごみを出さないエコな生活を提唱し、クリーンな商品を提供している。現地を取材したところ、店内には詰め替え可能なシャンプー(500g・100元/約1,717円)、竹製(10元/約171円~)やステンレス製(14元/240円~)のストロー、ガラス瓶に入ったタブレット形状の歯磨き粉(66元/1,133円~)、手洗いできる生理用ナプキン(6枚・226元/約3,881円)など、繰り返し使用可能で、無駄なごみが出ない商品が約20平米の空間に並べられていた。約1時間の滞在中、来店客は常にいたが、店内の商品を眺めるだけで何も買わずに帰っていく人がほとんどであった。中国ではエコな商品に対して、値段が高い、今使っているものでも問題はないという考えの人が多く、一般消費者の意識が表れている行動とみられる。
SNS型ECアプリ「小紅書」(RED)で、THE BULK HOUSEに関するコメントを見ると、こんなコンセプトを待っていました!、エコの理念をもっと広げて地球を守りましょうなどポジティブな期待の声も多いが、実際に店舗を訪れた人のコメントでは、とにかく高すぎる、安いモノの上に「エコ」と書いて売っているだけという批判的な声もある。それらの批判に対して、海外でもエコグッズは高い、エコに対する意識をあげることが必要など、擁護しているコメントもある。

エコという言葉に馴染みは出てきたが 実際行動している人はまだ少ない

中国では、ごみの分別やプラスチックの規制など、国として環境への取り組みを進めているが、個人の意識はまだそこまで高くない。近年、エコという言葉はよく使うようにはなってきているが、実際に体現している人はあまり増えていないという問題があった。そんななか、北京さらには中国全土で、ごみを出さないゼロウェイストなライフスタイルを提唱するため、武漢出身の女性オーナーの余元氏が、アメリカ人のパートナーとともに「THE BULK HOUSE」をオープン。ゼロウェイストのコンセプトに則った、繰り返し使える商品や、自然分解される素材の商品を取り扱っているが、一般消費者へ意識が浸透するまでにはまだ道のりが険しそうである。

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本記事はTNCライフスタイル・リサーチャー(http://lifestyle.tenace.co.jp/ )とインテージのグローバル・リサーチャーの共同執筆記事です。


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