【東欧】東欧におけるアジアやアジア各国のブランドに対するイメージ
皆さんは「東欧」と聞いてどのような印象を持たれるでしょうか?アジア諸国と比べて馴染みが薄く、具体的なイメージが沸かないという方も多いかもしれません。一方、日系企業の東欧への投資は、2000年代以降加速してきており、東欧市場や消費者に注目している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、東欧の国 ウクライナで生活者にインタビューを行った結果をもとに、東欧の国の生活者が日本や日系企業、日本ブランドに対してどのようなイメージを持っているのかをご紹介したいと思います。
■調査手法
マーケティングリサーチと言えば、定性調査と定量調査に大きく分けられます。大体の調査では、消費者を指定された施設に集め、決まった設問や内容を順番に聴取するという方法をとります。
しかし今回は、従来のリサーチとは少し異なったアプローチをとり、街の中でランダムに一般の方に声を掛け、カジュアルにインタビューを行いました。現在コロナウイルスにより、日本の皆様が現地で生活者の実際の様子を体感するのが難しい状況が続いていますので、そんな中で皆さまに臨場感を最大限にお伝えするため、その様子を動画に撮影しました。
<調査概要>
・調査手法:街頭インタビュー
・調査エリア:ウクライナ キエフ Khreschatyk Street(首都キエフのメインストリートで、行政やビジネスの中心地。)
・インタビュー対象者:20代~30代 男女 8名 (*一人を除きアジアへの渡航経験なし)
・実施時期:2021年8月
■インタビュー動画 無料閲覧のご案内
実際のインタビュー動画(15分間、日本語字幕付き)は、オンラインミーティングを設定して閲覧いただくことが可能です。
動画の閲覧に加えて、ウクライナ・キエフ在住の弊社リサーチャーが、東欧市場の入門編として基礎情報も併せてご紹介いたします。
ご関心がございましたら、Global Market Surfer担当(global-market-surfer@intage.com)までお気軽にお問合せください。
■アジアへのイメージ
今回インタビューした方々は、アジアと言えば、日本、韓国、中国、インドネシア、シンガポールなどを思い浮かべていました。
各国に対してのイメージは殆どがポジティブで、「モダン」、「先進的」、「絶えず発展し、経済が進んでいる」などのイメージが持たれていました。
各国の商品やブランドに対しては、技術的な商品(家電、携帯電話、自動車など)を連想する人が多い傾向でした。ほぼ全員がアジアに行ったことはない方々でしたが、ブランドや商品は認知している人が多く、興味を持っているようでした。
■まとめ
今回のインタビューはウクライナの首都キエフで行いましたが、定性的な市場観察では、ウクライナだけではなく旧共産主義の東欧全般はこの20年の間、著しく成長しており、90年代の旧ソ連分裂の頃のイメージから大きく変わってきています。
中国や韓国のブランドは既に市場に入っており、今回のインタビューでも、中国の携帯電話(Xiaomiなど)や韓国の化粧品ブランドなどは具体的なブランド名が挙げられていました。
一方、日本ブランドの認知や使用に関してはほぼ自動車に偏っており、ほかの消費財のブランドはあまり認知されていないことが分かりました。ウクライナの一般消費者は日本ブランドに対して、「高品質」、「信頼できる」というポジティブな印象を持っていますが、残念ながら一部の消費者は韓国と日本のブランドを区別できないケースも見られました。このエリアではまだ、力をいれて宣伝している日本ブランドが少ないことも関係しているでしょう。
欧州市場への進出にあたり、既に経済低成長期に入っている西欧諸国のみならず、今後発展していく最中の東欧市場も探検することで、日本ブランドは良いポジションを構築できる可能性があるかもしれません。
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執筆者プロフィール
Chen YonghuiHumphery(チェン ヨンフィハンフリー)
私は、15年間インターナショナル・マーケティング・リサーチの経験があるハンフリーと申します。
担当エリアは、主にアジアパシフィック、中近東とヨーロッパ諸国です。出身地は、シンガポールですが、人生の半分ぐらい出身地におらず、頻繁な海外出張を含めいくつかの国で生活してきました。その経験から異文化の面白さを強く感じています。 -
編集者プロフィール
高浜 理沙(たかはま りさ)
Global Market Surferサイト運営担当。
- 2021/10/15
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