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<駐在員コラム>【タイ】タイの屋台といえば「ヤワラート」? 知る人ぞ知る屋台街「タラートプルー」 バンコクのローカルスポットでタイカルチャー体験ツアー対談

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ダイスケ: そんなに近いのに全然知らなかった。タラードプルでは何がオススメか教えてください。

ナオ:  タラードプルに行くべき理由は、タイで最も有名でおいしいグイチャーイが食べられる場所だからです。昔から受け継がれてきたオリジナルの製法で、タイの人々にとってはもちろん、タイに来る外国人にとっても、おいしい食べ物だと思います。

ダイスケ: グイチャーイね!モチモチした米粉を使った皮に包まれたニラ饅頭。本当はニラのことをタイ語ではグイチャーイと呼び、この料理は正式にはカノムグイチャーイだけど、普通グイチャーイといえばこの料理のことをタイ人は思い浮かべるんでしょ?

【グイチャーイ】

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ナオ: そうそう。ニラ以外にも色々な具材が使われます。 タラードプルで有名なグイチャーイのオリジナルレシピは、昔からタラードプルに住む中華人系タイ人とイスラム系タイ人が受け継いできたものです。タラードプルに住む中国系の人々は、かつてお祭りの際、お供えのためにグイチャーイを作り、それを近所にも配りました。その後、村人たちの間でタラードプルのグイチャーイが美味しい!と口コミが広がりました。評判が高まるに従いグイチャーイが売り始められ、現在に至っています。当初は少なかったのですが、次第に多くのビジネスオーナーが誕生したんです。

ダイスケ: へー。お祭りの時に使うお供えものでも本気で美味しい味を追求していたんだね。因みにグイチャーイを食べるならどのお店が良いのかな。

ナオ: 有名なのはこのお店です。グイチャーイを買うため、大勢の人が朝から並んでいます。このお店は1日500個限定で販売しています。多くは家族のために沢山買って持ち帰ります。グイチャーイには、ニラと里芋の2種類の具があります。1個10バーツです。

【グイチャーイが人気のお店】

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【人気のカーオムーデーン】

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ダイスケ: どこの回し者なのかって感じで強力にこのお店を推して来たね(笑)。この料理は食べたことあるけどちょっと他と違うのかな。メニュー自体は普通にどこでも食べられるものだけど、実際のところ本当に美味しいカーオムーデーンに巡り合ったことがないので試してみたい。話は変わるんだけど、タイの屋台ってこんな風に料理に使う素材をショーケースに入れていることが多いじゃない?気温は大体30度として、タイ人はそれくらいの温度帯で食品を置いておくことに抵抗感は無いのだろうか。

【レストラン:スニーカーオムーデーン】

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ナオ: はい、もちろん上の写真にあるショーケースの中身は本物の肉です。日本人は食べ物を常温で長時間放置しませんよね。流石にタイ人も生肉の場合はすぐに冷蔵庫に入れますが、調理済みの食べ物の場合は常温で1日位放置することは気になりません。どうせ食べるときに再加熱しますしね。逆に、冷蔵庫に入れてから再加熱すると、味や食感が悪くなるって思っています。でも流石に一晩中常温で食品を放置することはないです。屋台の食べ物は、大体調整済の食べ物ですし再加熱するので、室温保存で問題はないと考えられています。

ダイスケ:  なるほど。加熱済み且つ加熱して食べる食品だとそういう基準で考えているんだね。確かにこの店以外でも人気の高いムートート(豚バラ肉の素揚げ)なんかだと冷蔵庫に入れて冷やしたら食感が悪くなるのも想像できる。食品の温度管理感覚について理解が深まりました。人気店なら商品の回転も良いし、そんなに食材の傷みを気にしなくて良いかもですね。因みに最近はショーケースの肉をよく見るとイミテーションだったりして、陳列用と使用する食品を分けて保存しているお店も見かけるようになったな。

ナオ: グイチャーイとカーオムーデーンの次はデザートです。

ダイスケ: タイのデザートも独特で種類も豊富だよね。でもこの写真はまるで卵かけご飯みたいですが、デザート?

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ナオ:  はい、これは卵かけココナッツアイスです。日本人にとって生卵はデザートというよりもご飯系ですよね。タイ人にとってもご飯系ですが、アイスクリームなどのデザートと一緒にも食べられます。生卵を入れた方が普通のココナッツアイスより美味しいです。他にもカーオニアオマムアン(ココナッツミルクで炊いたもち米とフレッシュマンゴー)のようなものもありますが、日本人はもち米とマンゴーの組み合わせには慣れていない人も多いのでは?相性の良い美味しいデザートなので、ぜひ食べてみてください。

ダイスケ: 卵かけココナッツアイスは初耳。ビジュアル的にちょっと抵抗感があるけど今度試してみよう。マンゴーともち米も最初食べたときはどんな味がするのか、おっかなびっくりでしたけど、これは本当に美味しい。有名なラッパーがアメリカのミュージックフェスティバルのステージ上でこれを食べたことが話題になって、タイ人の間でも人気のデザートになったんだよね。

ナオ:  ところでタイではバナナを茹でたり、干したり、焼いたり、揚げたり、さまざまな調理方法でデザートを作ります。 タイ人はもちろん普通のバナナを生でも食べますが、ココナッツミルクや特別な甘いソースなどと一緒に食べことも好きです。特に下の写真のように、甘くて柔らかいバナナとココナッツミルクのデザートが美味しいお店がなかなか見つけないので、タラードプルに来たら是非試してみて下さい。

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ダイスケ: 焼きバナナはバナナというよりも焼き芋に近い感じがするので好き。こうやって見ていくと、タイはどこでも美味しいものが食べられそうなイメージだったけど、メニューごとに人気店というものがやはりあるんですね。色々と美味しいご飯の話をしてきたけど、食後の腹ごなしに散歩するとしたらどこが良いかな。

ナオ: タイと言えばお寺も大事なカルチャースポットですし、有名なお寺以外にも沢山の名所があります。タラードプルへ行ったらこの2箇所のお寺がおすすめです。一つはワットクンチャン、もう一つはワットインターラームウォラウィハンです。

ダイスケ: ちょっと1回では覚えられない名前だな。ワットはお寺という意味だね。それぞれどんな特徴があるの?

ナオ: ワットクンチャンの特徴はタイとミャンマーの文化が融合された美しくユニークな建築デザインと、約200年前に建てられた長い歴史のある古いお寺です。

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ダイスケ: 3頭の象の上に座っているブッダは珍しいかもしれないですね。それにしても見たことがない程派手なお寺だ。テンションが上がりそう。

ナオ: もう一つの方のワットインターラームウォラウィハンは、アユタヤ時代に建てられた歴史のあるお寺です。先程のお寺とは少し雰囲気が違っていますね。ここは土日にしか参拝できないので注意が必要です。お寺のスタッフやボランティアの方が案内してくれます。

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ダイスケ: アユタヤ時代って250年以上も前の時代だから、こちらも相当に歴史のあるお寺ですね。こちらは心が落ち着きそうな趣のあるお寺。お寺に限らないけど、ガイドさんの案内があると理解が深まってとても良いですよね。

ナオ: タイ人にとってお寺は生活に密接に関わる場所です。タイ人がよくお寺に行く習慣は子供の頃から培われています。また、タイは多くの宗教に関わるお祭りがある国です。お祭りのたびに、人々は寺院の僧侶に敬意を表するために行きます。ほとんどのタイ人は仏教を信仰しています。生活がうまくいっていない時など、サバーイな気持ちになりたくてお寺に行きます。お寺ではお祈りをしたり、お布施をしたり、僧侶に食べ物などを寄付します。また、大きなお祭りがなくても、仏教の聖なる日や普段の日でもお寺に行きます。
しかし、現在では若者は以前ほどお寺に関心を持っていません。お寺や宗教はますます生活から遠い存在になってきていますので、これからは少しずつお寺と人々の関わり方が変わってゆくかもしれません。

ダイスケ: 直接僧侶に何かをすることの他に、生きた魚を池に放したりして功徳を積むんだよね。タイで暮らしていて一番感じるのはタイ人と仏教の密接な関係かな。
そういえば、コロナ中で人々の中に不安が渦巻いていた時は、2人組の僧侶が仏様の教えをコメディアンのようにYou Tubeで話しているのがとても話題になったよね。

ナオ: 4〜5年前からタイでは、デジタルマーケティングがポピュラーになって来ています。観光名所、レストラン、各種教材などもよくオンラインで情報を発信しています。誰にでも簡単にアクセスでき、簡単に情報を入手できます。
紹介したグイチャーイのお店みたいに、オンラインで情報が共有され、だんだん人気になる店は他にもあります。味そのものはもちろんですが、店に行って食べる体験を味わうことも大事です。消費者がお店に来て味わうことで世間に知られるために、デジタルマーケティングは必要。グイチャーイのお店はソーシャルメディアのトレンドランキングで有名になりました。商品は非常に長い列に並ばないと入手できないというギミック。最も重要なのはマルチメディアで、YouTubeやインスタグラム、Facebookなど様々なソーシャルメディアに写真やビデオが投稿されることです。有名なお店だけでなく、さまざまな寺院もYouTubeなどのSNSで情報を発信しています。
最近の若者は昔の人々のようにお寺に行くことをしません。そのため、僧侶や寺院などについてのコンテンツを増やすことで、若者たちにとっては情報にアクセスしやすくなります。オンラインで説教や講話をする僧侶もいます。これにより、多くの人々がその寺院に行くようになります。寺院に行く人が多ければ多いほど、寺院の経済や寺院周辺の店の経済は良くなります。

ダイスケ: なるほど。一般消費者からお坊さんまで、タイ人にとって動画を投稿してシェアすることは非常にポピュラーなのですね。話題を作る側も作られる側も、タイ人の琴線に触れる動画の存在が非常に重要そうですね。

ナオ: 私の意見ですが、日本はデジタルマーケティングについてコンテンツが増えてきていると思います。ただ、日本人のプライバシー意識が非常に高いためか、YouTubeを使った情報共有はそれほど普及していないようです。
タイでは誰もあまり気にしませんが、レストランなどのお店の中で動画を撮影してYou Tubeに投稿するのは日本ではユーチューバー以外少し難しいかもしれませんね。でもタイでのデジタルマーケティングではYou Tubeは必須のツールとなります。

ダイスケ: 私もタイの生活に関するYou Tubeチャンネル作ろうかな。

ナオ: そうですね。でも。。その前にお腹が空きすぎじゃないですか!? サワディーカー!


  • Intage Inc

    執筆者プロフィール
    ナオ(Nawarat Thongnuaim)

    インテージタイで日系クライアントを担当している若手リサーチャー。何にでも果敢に挑戦する前向きなタイプ。美味しいものには目がない。

  • Intage Inc

    編集者プロフィール
    青葉 大助(アオバ ダイスケ)

    タイ在住40代男性リサーチャー。過去に訪問した調査実施国数は30か国以上。当該国の消費者にとってのベストを求め、常に彼らの気持ちと自分を重ねることを旨としている。 1日約1000回閲覧される自身の世界グルメ投稿もタイを中心に意欲的に継続している。

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    「出典: インテージ 調査レポート「(レポートタイトル)」(●年●月●日発行)」
    「出典:Global Market Surfer ●年●月●日公開
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