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【ベトナム】若者目線を意識した脱プラスチック化が加速

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おしゃれな若者が手に取りやすい エコストローセットを開発・販売

10代~20代の人口ボリュームが2割に満たない日本と異なり、ベトナムは10代~20代の人口が全体の約3割と多く、ベトナムの若年層の市場性は大きなポテンシャルを秘めていると考えられる。
【年代別人口・人口構成比(10歳刻み)】へのリンク


そんなベトナムの若者の間では、SDGsを意識した新しい取り組みが広がっている。その一つがプラスチック製の使い捨てストローの代替。米粉や竹、ステンレス、紙、ガラスなどリサイクル可能な自然素材に変更する動きが加速している。自然素材のストローに変更するカフェやレストランの数が増えたほか、飲食店以外でもホテルやスーパーマーケット、航空会社など他業界での提供も広まってきた。 


若者の人口ボリュームが多いベトナムでは、脱プラスチックは若者が中心となって担うトレンドであることから、エコであることのほかに、おしゃれであることを兼ね備えているのが特徴的だ。エコストローを提供する店では、オリジナル商品として、ストローの内側を洗浄できるブラシとセットでストローを販売しているケースも多い。チョコレートカフェ「Maison Marou」の竹ストローとブラシ(セットで2万ドン/約90円)は、店のロゴが入った綿の巾着に入れることで、若者層の目をひくような工夫をしている。また、オリジナルストローを販売することで、エコに積極的に取り組む企業というブランドイメージをアピールすることもできる。 脱プラスチックの動きはストローだけでなく、ビニールのレジ袋からエコバッグ、プラスチックのコーヒーコップからタンブラー、ビニールの野菜包装からバナナの葉など、他分野にも広がっている。

米粉や竹製ストローの輸出等 新しい産業形態としても注目

1年に約180万トンの廃プラスチックを出しているベトナムだが、そのリサイクル率は約27%と低調だ。海洋投棄されたプラスチックごみの量も世界で4番目に多い。深刻化するプラスチックごみ問題から政府は、2025年まで使い捨てプラスチックごみゼロの目標を掲げた。それにともない、若者の間で環境意識が高まり、数年前からプラスチックストローを使わない動きがスタート。米粉や竹製ストローの輸出も進められているほか、ベトナム環境ファンド「グリーンベトナムファンド」が、植物の茎製ストローを生産する地場グリーンジョイ社に40億ドン(約1,828万円)を出資するなど、産業形態の1つとして注目されており、今後の発展、拡大に期待がかかる。


本記事はTNCライフスタイル・リサーチャーとインテージのグローバル・リサーチャーの共同執筆記事です。


  • TNCアジアトレンドラボ

    執筆者プロフィール
    TNCアジアトレンドラボ

    株式会社TNCが運営する、アジアのトレンドを研究・発信する情報機関。現地の生活者の暮らしや生活習慣に根ざしたトレンドからインサイトを見出し、企業のマーケティング活動の支援を行っています。 http://tnc-trend.jp/

  • Intage Inc

    編集者プロフィール
    高浜 理沙(たかはま りさ)

    アジアを中心に、消費財メーカー様の海外マーケティングリサーチに携わり、現在は海外生活者のインサイトを導くためのリサーチソリューション開発などを行う。海外旅行に行って必ず行うのは、ドラッグストアでその国ならではの化粧品を買い込むこと。

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