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【各国結婚と資産事情】インドネシア編:結婚するときの準備

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経済成長が続くインドネシア。毎年最低賃金が5~8%アップしている。キャリア志向の高まりや、コロナをきっかけに会社員を辞め小さなビジネスを始める人が増え、生活水準も徐々に上がってきている。以前に比べると晩婚化も進んでいると言われているが、結婚はできれば早いほうがよいという考えは根強く残っているようだ。20歳代半ばになると友人に紹介を依頼したり、お見合い(親・親戚の紹介)、マッチングアプリなどで結婚相手を見つける人が多い。「付き合う=結婚」を男女ともに強く意識しているため、日本のように長くお付き合いしてから結婚というパターンは少ない。

宗教と結婚について

インドネシアで結婚をするには、「宗教的な結婚」と「役所での結婚手続き」の2つを行う必要がある。流れとしては、まずそれぞれの宗教の規則に従い宗教婚を行う。そこで宗教婚証明書をもらってから、役所で申請し結婚証明書が発行される。これで無事結婚手続き完了となる。宗教により異なるが、イスラム教徒は宗教結婚手続きの際、男性は女性に結婚金を支払う必要がある。「金」とあるが、現金・金以外の装飾品・日用品・土地・牛や山羊などなんでもよいとされている。渡したものは結婚証明書に記載される。

結婚儀式はそれぞれの宗教施設、イスラム教徒はモスク、キリスト教徒は教会、仏教とヒンドゥ教はそれぞれの寺にて行う。費用は特に決まっていないため、それぞれの経済力にあわせて儀式を行う人へ男性側が支払いをする。(その他の場所でも宗教省の人と保証人がいればよい)

結婚式の資金

ジャカルタ都市部ではホテルや会場を借りて結婚式を行う人も少し増えてきたが、伝統を守り女性側の実家で結婚式を行う人もまだ多い。新郎側が資金の準備をするとされているが、実際は経済力のある家族側が支払うのが一般的。

インドネシアの結婚式は着席型ではなく立食ブッフェで、結婚パーティーをしている3時間~5時間の間であればいつ来ていつ帰ってもよいというスタイル。招待状を受け取った人以外も(家族・親戚・友人・カップル・近所の人)だれでも何人でも参列できるため、招待状の数の3~4倍ぐらいの参列を見込み、会場、料理、引き出物の準備しなければならない。

ジャカルタではキャリア志向の女性が多い

地方と都会では状況が異なるが、ジャカルタで働いている女性たちは民族・宗教問わず、キャリア志向の人が多く、結婚・出産をしても仕事は継続する人が多い。お手伝いさんを雇いやすい、6か月から預けられるデイケアや保育園も多いといった環境から、社会的にも結婚や出産、子どもがいることがキャリア的に不利になることはない。出産後、一時的に仕事を辞めても復帰する人がほとんどだ。中流層以下の場合は、キャリア志向というよりはジャカルタの生活費が高く、共稼ぎでないと生活が厳しい場合もあり、田舎の実家に子どもを預けジャカルタで共稼ぎして仕送りするという夫婦も多い。

結婚のタイミングで住宅や車、家具などを購入

インドネシアの出生率は少しずつ下がってきているが、結婚したらすぐに子どもが欲しいという人が少なくなく、結婚と同時に車や戸建ての購入を検討するケースはよくみられる。マンションは購入しても所有権はなく、使用権(15年で更新が必要)のみとなるため、少し無理をしてでも家族の永久的な財産となる土地付き・戸建ての購入をしたいという人が少なくない。ただ、ジャカルタ市内は土地が高く購入が難しいため、ジャカルタ郊外に戸建てを購入し1時間以上かけてバイクや車、バスなどで通勤している人が多い。インドネシアは住宅ローンの返済期間が短く最長で15年、利息も7%~9%、頭金も30%と高く、住宅購入資金は男女どちらかの親(より裕福な家庭)が出すことが多い。

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土地付き・戸建ての購入を希望する人が多い

出典:インテー ジ自主企画調査(9か国ライフイベントと資産に関する調査) 
URL:https://www.global-market-surfer.com/report/detail/152/
※調査概要は文末に記載しております。

結婚・家購入と同時に大型の家電、少し高額の家具を購入する人も多い。家に両親・親戚、友人を呼ぶことが多いという理由のほか、独身の間は実家住まいか家具付きのワンルーム賃貸マンションかコス(シェアハウス)に住んでいるため、自分の家具家電を所有していないという事情もある。

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大型の家電のほか、家具を購入する人も44.7%と高かった

出典:インテージ自主企画調査(9か国ライフイベントと資産に関する調査) 
URL:https://www.global-market-surfer.com/report/detail/152/
※調査概要は文末に記載しております。

車も結婚を機に購入する人は多く、家族・親戚など大勢で乗車できる2億7,000万ルピア前後(約250万円)のファミリーカー(8人乗り)が人気。インドネシアでは車の値段は日本よりも高く、税金・保険などの維持費も高いため、住宅と同じく親に資金を出してもらうという人もよくみられる。また、インドネシアは交通渋滞もひどいため、通勤に便利なバイクも同時に所有している人が多い。


イスラム教の人は結婚指輪(金)を購入してもつけない人が多く、特に男性にその傾向がある。左手は不浄の手といわれており、女性は右手薬指に結婚指輪をする。インドネシアの現地通貨ルピアでの高額貯蓄はリスクが高いと考え、金・金塊、土地や株・投資信託などを好み、金や金塊はお金が必要になったときにすぐに売れるため便利と考える人が多いようだ。

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現金・預金よりも、土地・戸建、金・金塊に対する意向が高い

出典:インテー ジ自主企画調査(9か国ライフイベントと資産に関する調査)
URL:https://www.global-market-surfer.com/report/detail/152/
※調査概要は文末に記載しております。

インドネシアは民族文化と宗教慣習の両方を重んじている。結婚・結婚準備には本人だけでなく家族もお金、時間と労力を惜しまない。それだけ結婚は人生での一大イベント。再婚でも結婚式をやるという人も多い。婚姻手続きのみや親兄弟だけの地味婚はかなり稀と言える。インドネシアでの結婚に関連するこれらの特色は世代が変わってもまだしばらく続くと思われる。

インテージのネットリサーチによる自主調査データ

調査地域:日本、中国、香港、タイ、インドネシア、ベトナム、インド、アメリカ、スウェーデン
対象者条件:
・男女20歳~49歳、(人口構成比に合わせてウェイトバックあり)
・主要都市在住(以下参照 ) ・SEC 中間層以上
標本抽出方法:オンラインアンケート調査
標本サイズ:n=328(日本)n=407(中国)n=329(香港)n=323(タイ)n=341(ベトナム)n=339(インドネシア)n=344(インド)n=324(アメリカ)n=327(スウェーデン)
調査実施時期: 2022年2月16日~3月16日
詳細はこちらから >>https://www.global-market-surfer.com/report/detail/152/

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  • TNCライフスタイル・リサーチャー

    執筆者プロフィール
    TNCライフスタイル・リサーチャー

    株式会社TNCが運営する、世界70ヵ国100地域600名に住む日本人女性のネットワーク「ライフスタイル・リサーチャー」が、数字では見えてこないトレンドや、生活者の生声を切り出します。その生情報を元に、企業の課題解決のための提案や商品企画を行っています。
    https://www.tenace.co.jp/

    担当者プロフィール:インドネシア・ジャカルタ在住17年。TNCアジアトレンドラボでインドネシアのトレンドや食・文化の情報発信をしています。10年前にインドネシア人と結婚し、さらにディープなインドネシアを満喫中。

  • Intage Inc

    編集者プロフィール
    チュウ フォンタット

    マレーシア人リサーチャーです。15年前から来日し、今も東京を拠点とし、東南アジアをはじめ海外のインサイトについて発信しています。

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    「出典:Global Market Surfer ●年●月●日公開
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