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<駐在員のしゃべりBAR>各国のインフレ事情~現地にいるから体感できること~

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▼メンバー
あおば(タイ駐在員,男性)
すはら(シンガポール駐在員,女性)
ぱく(シンガポール現地社員,男性)
おかやま(よくフィリピンに出張しているData Spring社員,男性)
あかしお(インド現地社員,男性)
かしい(上海駐在員,男性)
せきお(上海駐在員,女性)

インフレインフレといわれているが、身近なところではどんなことで感じるか?

外食

(ぱく)シンガポール:ランチに行くようなお店が確実に値上がりをしている。よく行くサラダショップでも、今まではワンプレート10ドルだったのが最近では14、15ドルになっていて、そこにトッピングを追加すると17、18ドルになってしまう。
*1シンガポールドル=102円

(すはら)シンガポール:人々が日常で利用するお手頃なお店も値段があがっている。ホーカーセンター(屋台街)でも、6ドルくらいだったお店が6.5ドルになっていたり、お気に入りのお店のチキンのクオリティが下がったり、サイズが小さくなっているところもあったりする。

家賃

(ぱく)シンガポール:元々高いと言われるシンガポールの賃貸家賃もさらに値上がりしていて、1.5倍~2倍になっているところもある。特にコロナ後に賃貸の家賃相場が上がっていて、各企業もシンガポールに駐在員をおくかやめるか悩みどころのようだ。

(すはら)シンガポール:ちょうど家賃の更新のタイミングで継続の場合は1.1倍増で済んだが、新規契約だと1.3~1.4倍くらいの金額になっているとのこと。駐在員の多いセントラル・ビジネス・ディストリクトだと6000ドル(約61万円)以上でないともう入居できない状況で、新しく駐在で来た方が住居を手配できずに3か月もサービスアパートメントに住んでいて、会社に家賃の上限額を上げてほしいと交渉しているなどの話も聞くぐらい。

(あおば)タイ:コロナの時は家賃が下がりまくりだったが、今はその反動もありどんどん金額が高騰している。各企業が駐在員に認めている家賃の上限額を超えるような金額の物件が多くなっていて、引っ越さざるを得ないという状況になっているらしい。家主側からすると旅行者に利用してほしいため、サービスアパートメントやコンドミニアムなどを値上げしているなんていう話も。

(すはら)シンガポール:シンガポールの不動産の高騰については、中国と香港の富裕層が言い値で買ったり借りたりしているという背景があるよう。そこにコロナの影響で建設が遅れているための部屋不足も重なって、この高騰につながっていると思われる。

(ぱく)シンガポール:現在不動産が売り手市場のため、オーナーさんとの交渉(価格や付いている古い家具の交換など)もできなくなっているとか。

(かしい)中国上海:不動産価格は上がってはいるが、他の国に比べると都市部に関してはそこまで高騰はしていないように感じる。土地バブルを抑え込もうとしている気配もあり、中国人も現在二物件以上は持てないようになっている。上海は家賃の上昇は今のところないが、ただ地方部はもっと上がっているという話もきく。

★編集:シンガポールとタイは家賃相場があがっていますが、上海は政府の不動産統制もあるためか、そこまであがっている実感はないようです。

日用品・食品

◆日用品や食品などに関して気になる事などあるか?

(かしい)中国上海:日用品もそこまで上昇している感じはない。今成長中の国や投資が多いシンガポールなどに比べると変化は大きくないのではないか。ただ中国は広大で都市による差は大きいため、全体をこれで語るのは難しいかも。

(すはら)シンガポール:元々加工食品は高いので、そこまで値段への影響は感じない。生鮮食品では卵については値上がりを感じていて、よく利用するドン・キホーテなど日系スーパーでは卵の値段が4.5から5.5ドルくらいに値上がりしている

(ぱく)シンガポール:ウェットマーケットでは体感ではまだすごく高騰しているわけではなさそうだが、CNNのニュースによると魚の値段が上がっていたりはしているようだ。

(あかしお)インド:インドの8月のインフレ率7%と言われていて、食品や日用品の値上がりは実感する。ただ加工食品の種類などが減っているという印象はない。

(おかやま)フィリピン:フィリピンも物価上昇しているので家計を直撃している。特に食料品・日用品は日々上昇している。

◆輸入品の価格の値上げもあまり感じられないか?

(かしい)中国上海:輸入品はセールが多くて市場価格が曖昧になっている。

(せきお)中国上海:あと輸入商品は売価設定が元々高い。

(かしい)中国上海:確かに。例えば日本の化粧品などは1.25倍~1.5倍くらいする。他にLay’sのポテトチップス(筒状)が12元(240円)くらい。

(せきお)中国上海:スタバも高い。日本円に換算すると飲めなくなってしまうくらい。

★編集:中国、シンガポールは日用品および食品に対して大きな価格上昇をあまり感じられないのに対し、インドやフィリピンは物価上昇を実際に体感しているようです。

エネルギー

◆ガソリン代などはどうか?

(おかやま)フィリピン:グラブのドライバーさんたちが、毎日1ペソずつガソリン代があがっていると言っていたし、現地社員の中には車通勤はやめたと言う人も増えてきた。ガソリン金額の上昇はかなり影響を受けている

(あおば)タイ:タイも同じ。

◆電気代はどうか?

(あおば)タイ:これまで支払ったことのないような金額ゾーンに突入してきている感覚。

(ぱく)シンガポール:こんなに払わないといけないんだ、と感じるくらい上がっている。

(かしい)中国上海:地域によって電気料金の金額が違う気がする。上海は電気について色々と優遇されているが、水力発電でやっている四川省などは干ばつによる電力不足で厳しいことになっている。
ただ季節変動はあれど、正直そこまで大きな変動は感じてない。今年の夏は上海がものすごく暑かったので例年より金額が高かったが、暑さのせいなのかエネルギー価格によるものなのかは正直なところわからない。

◆節電などはしているか?

★編集:タイやシンガポールといった、エネルギーを輸入に頼っている国は世界情勢の影響を受けて電気代が上昇しているようだが、中国は政府の取組もある関係か上昇を実感できない状況のようです。

全般

◆中国は他の国に比べると物価上昇は比較的緩やかな印象だがどうか?

(かしい)中国上海:都市による差も大きく、特に上海、北京、広州などはもっと以前に物価が高騰していて、その時に高騰した価格が今高止まりしている状況で落ち着いているのではないか。

◆物価も上がっているが給料もあがっているから我慢できている感じなのか?

(あかしお)インド:給料はこの10年で7倍くらい上がっているというのはニュースやっていた。

(あおば)タイ:タイも10月に久しぶりに最低賃金が値上がりなるようだが、ただ物価上昇が賃上げよりもはるかにあがっている。

★編集:元々発展途中でインフレがある国ですと、日本などの先進国よりインフレに対する耐性があるかもしれないので、ウクライナが起因とした今回のインフレに対してあまり大きな反応がない印象です。


  • Intage Inc

    執筆者プロフィール
    チュウ フォンタット

    高校までマレーシアで過ごしていたため、毎年物の値段が上がり続けることを体感していたが、日本にいる12年ですっかりインフレの感覚を忘れてしまった。

  • Intage Inc

    編集者プロフィール
    臼井 由紀子

    活字だけではわからないことがたくさんあるのだと改めて実感している今日この頃。

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    「出典:Global Market Surfer ●年●月●日公開
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