よく台湾人は健康意識が高いといわれているが、弊社の生活者データベース「Consumer Life Panorama」を活用して深堀してみよう。今回は、Consumer Life Panoramaに登録されている台北都市圏在住の生活者のキッチンを中心に、食生活の中で気を付けているポイントをConsumer Life Panoramaに登録されている生活者に実施したインタビュー結果を交えながら解説していきたい。
オーガニックと農薬残留への心配
台湾で野菜を買う主な方法は大きく3つある。それはウェットマーケット、スーパーマーケットとオンラインだ。台湾人がウェットマーケットをよく利用する主な理由は生鮮価格の安さだが、その反面、農薬の心配がある。政府の関係部署が台湾の売り場の野菜を検査した結果、ほうれん草、チンゲン菜などの野菜の農薬残留度が高いなど、台湾ではよくニュースになるそうだ。
野菜の残留農薬が心配な場合の対策は主に2つある。ひとつはオーガニック商品を買うことだ。実は、野菜だけでなく、オーガニックのものの意識は調味料や食用油にも浸透している。例えば、台湾のキッチンを見てみると、オーガニックのオリーブオイルを使用する家庭がいることが気づくだろう。

オーガニックのオリーブオイルを使用する意識の高い台湾家庭(TW_55)
出典:Consumer Life Panorama
Consumer Life Panoramaとは
世界18カ国1,000名以上の生活者のビジュアルデータを蓄積した、ウェブサイト型データベース。住環境を閲覧できる3Dモデルや、各生活者の保有アイテムを撮影した2Dデータが多く搭載されており、文字や数字だけでは把握しづらい海外生活者の理解に役立つ。
本コラムで引用したようなビジュアルデータを用いて、
・海外生活者の属性別の違いを比較する
・カテゴリーの使用実態をリアルに把握する
・ターゲット生活者のライフスタイル全体を理解する
等、「現地に行かない」ホームビジット調査として活用が可能。

ただ、オーガニック商品は値段が高いという側面もあるので、台湾の生活者はよくウェットマーケットとの価格のバランスを見ながら買う場所を選んでいるそうだ。その場合、特にニュースなどで出ている農薬残留が多い野菜などは、家族の安心安全のために、何遍も洗う習慣がある。また、果物に関しても、皮を剥くか、皮にあるワックスを洗浄する専用の洗剤で洗ってから食べる世帯もいる。意識の高い層でよく見かけるのが、こちらの哺乳瓶にも果物にも使える刺激成分のない洗剤を使って、食材を洗うことだ。

台湾家庭で使用される植物由来の洗剤(TW_5, TW_55)
出典:Consumer Life Panorama
中華でありながら健康的な食事にするポイント

台湾家庭で使用されるアボカドオイルとオリーブオイル(TW_5, TW_21)
出典:Consumer Life Panorama
健康的な油にシフトすると同時に、無添加や減塩への関心も高まっているそうだ。ここでは、台湾料理でよく使われる調味料の代表として醤油を例に説明したい。実はそこに日本商品の出番もあるのだ。Consumer Life Panoramaに登録されている台湾の世帯の中では、無添加の醤油を使う世帯もいれば、普段台湾の味が濃い醤油の代替品として、味の薄い醤油として使用される日本のつゆを備蓄する世帯もいる。
また、中華料理にはMSGもよく使われるが、健康的リスクがあるという意識を持っている世帯の中では、その代わりに、より自然由来成分が使われるとされているほんだしを使ってスープのうま味を引き出す家庭も存在しているのだ。

つゆ、無添加醤油、ほんだしを使う台湾家庭(TW_5, TW_7)
出典:Consumer Life Panorama
親日的で、日本企業の進出先としても注目度の高い台湾。「台湾人の平均的な生活スタイルや価値観」をどれだけ解像度を高く捉えられているでしょうか。
インテージの海外生活者データ「Global Viewer」をはじめとする各種データをもとに、台湾消費者の基本となる「平均」と、そこから見えてくる最新トレンドを整理して解説します。
台湾人の「平均」を知ろう!典型的な消費者像と最新トレンドを徹底解説
・ライフスタイル:住まい・環境・家事・結婚
・食文化と健康・スポーツ意識




