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【ベトナム】食感と味付けに保守的なベトナム人 リピート購入にはローカル嗜好が得策

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 インテージは2022年10~12月中旬まで、ハノイのスーパーFujimart Hoang Cauでテストマーケティング店舗「Ajimi」を運営し、塩味としょうゆ味2種類の薄焼きせんべいを試食提供した。試食人数は塩味50人に対してしょうゆ味70人としょうゆ味の人気が高かった。


 ポジティブな評価としてどちらも薄焼きの「さくさく」食感が挙げられた。一方、試食前後の購入意向は、試食前はどちらも5点満点中4点以上であったが、試食後は塩味4以上に対ししょうゆ味は3.03まで下がり、「(しょうゆ味が)塩辛い/苦い/焦げる」といった不満につながる声も多かった。


 食感と味付けを考察すると、ベトナムの昔ながらの米せんべいは七輪で炙った軽い口当たりの「ぱりぱり」や「かりかり」の食感が主流であり、今回試食品の「さくさく」はそれに近く、ポジティブに受止められたと考えられる。


 また、ベトナム市場では塩味、微糖味のサラダせんべいが多い。しょうゆ味はめったにないため、味付けに新鮮さを感じ、試食人数が塩味を上回ったと考察する。ただ、試食品は「超特選濃口醤油」を使用しており、消費者が普段慣れている「しょっぱさよりもうまみを強調したしょうゆ」と味が違っていたことが、ネガティブ評価につながった。


 日本商品は信頼性や品質においては評価が高い。ただ、「食感や味付けは保守的」と言われるベトナム人は、日本独自の味付けに興味は持つものの、リピート購入につながらないケースも見受けられる。食感や味付けは、ローカル嗜好を重視した商品開発が功を奏すと言えるであろう。

“食感と味付けに保守的なベトナム人 リピート購入にはローカル嗜好が得策” - 出典:月刊誌「ACCESS」(2023年1月号)


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    執筆者プロフィール
    牧野 友紀

    INTAGE VIETNAM カスタマーサポート担当。
    ドンズー日本語学校で日本語教師兼校長秘書として4年半勤務後、現在はリサーチャーアシスタント。様々なデータを用いた分析結果と改善策を各業界のクライアントに提供している。
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    編集者プロフィール
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