バーチャルホームツアー カンボジア・ベトナム 後編(日常生活、食事、掃除、美容、移動)
東南アジア・インドシナ半島南部に位置するカンボジア。現在はLower-middle income(低中所得国)に分類されているものの、そのGDP成長は著しく、政府は2030年までにUpper-middle income(高中所得国)となる目標を掲げています。これは同じ東南アジアのベトナムと同水準であることから、カンボジアの7年後を予測するためにはベトナムの今を知ることが役立つのではないでしょうか。
※本記事は2023年12月14日に実施されたセミナーを再構成してお届けします。
この記事は後編になります。前編の記事はこちらです。
https://www.global-market-surfer.com/pickup/detail/458/
日常生活
ここでは、カンボジアに住む人々の日常生活の過ごし方や価値観についてご紹介します。
一日の過ごし方
質素な生活を送るカンボジアの家庭は、共働きで早寝早起きが一般的です。家事と子育ては夫婦で分担しており、夫は主に洗濯物を干して畳む、食後に皿を洗う、子どもの送迎などを行います。
昼食は外食が多く、朝晩は家族が揃って自炊の食事をとる傾向にあります。家電やツールに頼って時短を図る発想はないものの、家事負担を減らすために通いのメイドを依頼することもあるようです。
それでは、首都のプノンペンの共働き家庭の女性の一日を見てみましょう。
仕事がある平日は午前6:15に起床し、出勤時間の7:30までに自分の身支度、朝食、出勤準備、子どもの世話をこなします。午後5:30の退勤後には夕食の準備、洗濯物、掃除、子供のシャワーなど、毎日慌ただしく過ごしています。
食事
カンボジアの食事は伝統料理であるクメール料理が多く、西洋料理や日本料理はあまり浸透していません。食材は生鮮食品を中心に、家の近所のウェットマーケットで購入しています。長持ちしないため頻繁に買い物に行く必要があり、その手間を負担に感じている人も多いようです。
家で作る料理の例です。
朝食(画像左)は焼きサバ、豚肉炒め、白飯。夕飯(画像右)は蒸し鶏肉、野菜、白飯です。白米、野菜・肉の炒め物、スープの3品が基本で、塩や魚醤で味付けした塩分の高いおかずと多くのお米を食べるのが特徴です。
床はほうきやモップ、バスルームはブラシを使って掃除をします。道具はあまり使い分けておらず、床を掃き掃除をするほうきでそのままバス・トイレの床も掃除します。洗剤を使わない家庭もあり、また掃除機は浸透していません。
菌は気になるものの、まずは目に見える汚れを落として快適に過ごすことを目的に掃除を行うようです。菌・におい・空気など、目に見えないものへの意識が変われば、消毒・除菌や掃除道具の使い分けなど掃除の方法に影響する可能性があります。
洗濯機は普及率70%(*)となっているものの、洗い桶を使った手洗いの家庭も一定数あります。洗浄力と香りを基準に粉タイプ洗剤を選ぶ家庭が多く、一部の家庭では柔軟剤も使用しています。
Consumer Life Panoramaによる集計
美容
メイクアップ(ベースメイクおよびポイントメイク)への関心はあまり高くないようです。ただ、白い肌は美しいとされており、紫外線が強いため日焼け対策を行う女性が多くみられます。
移動
カンボジアは1人1台バイクを持っているほどのバイク大国で、庶民の一般的な移動手段として浸透しています。一方で、バスなどの公共交通は使い勝手が悪く、また低収入層が使うイメージがあり、あまり利用されていません。約50%(*)の家庭は車も持っており、家族で外出する際などに使用しています。ほとんどが中古車で日系ブランドも多く含まれます。
なお、バーチャルホームツアーでご紹介した家のようにリビングにバイクを駐車することも多く、家によっては車も屋内に置く場合もあります。
Consumer Life Panoramaによる集計
最後に
インテージではカンボジアやベトナムなどのさまざまな国の生活者の価値観やライフスタイルを理解するための、さまざまなサポートを行っています。記事で紹介したバーチャルホームビジット機能をお試しになりたい場合は、以下よりトライアルをお申し込みください。
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- 2024/02/05
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