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【中国】ブラインドボックス経済:その無限の可能性

ブラインドボックスとは、 「中身が何か分からない箱に入って売られているおもちゃ」 のことである。日本のカプセルトイのように中身はランダムで封入されている。もと もと「ブラインドボックス」は日本のアートトイに由来したもので、最初は 「mini figures」と呼ばれていた。流行りのおもちゃとして若者市場のニーズを捉えてか ら、考古学、文房具、 コスメ、お菓子など「ブラインドボックス+ ○○カテゴリー」 の新たなビジネスモデルに拡大している。
このコラムでは、ブラインドボックスとアートトイについて、ブラインドボックス人気に拍車がかかり「全てがブラインドボックスになる時代」に突入しつつあること、コロナ禍の物流停滞下におけるブラインドボックスによる販売方式の新たな試みなど、ブラインドボックス経済の無限の可能性について迫る。

 情報源:百度百科より

1. ブラインドボックスの頂点 ― アートトイ

• 時価総額千億元を越えたポップマートは現在最も注目されているアートトイのブラインドボックスブランドである。 ブラインドボックス消費の中心であるZ世代・大学生・若いOL・及び「精緻」(こだわりのある) なママ達は、 体験にはお金を払う価値があるという考え方を 持ち、 開ける時のわくわく感を体験するためにブラインドボックスを購入している。 シークレット アイテムを手に入れるため、莫大なお金を惜しげもなく投入する人も少なくない。
• 近年、アートトイのブラインドボックスと異業種コラボするブランドが増加の一途をたどっている。 例えば、テンセントマップ、KFC、 VIVO、エルメスなど、自社ブランドのブラインドボックスをカスタマイズしたり、IPキャラクターを取り入れたりすることによって、 消費拡大やIPの価値向上を図っている企業も増えている。

2. ブラインドボックスの新形態 ― すべてがブラインドボックスに

ブラインドボックスの発展につれて、 現在既に「全てがブラインドボックスになる時代」に突入しつつある。
コロナの影響による厳しい経営状況に対応するため、 各航空会社は続々と航空券 ブラインドボックス発売に乗り出した。 98元の (行き先がわからない) 片道航空券のブラ インドボックスは発売された途端に、 千万人以上の人も先を争って購入したほどの人気ぶ り。 ゴールデンウィークや国慶節 (10月1日~10月7日) などの大型連休は、 航空券ブ ラインドボックスが最も売れる時期で、また全額払い戻し可といった利益保障も購入の後 押しとなった。 また、月ごとに発売されるコスメブラインドボックスは国内外ともに女性から多 くの関心を集めている。 ブランド (国際ブランドからマイナーブランドまで) アイテム (メー キャップからスキンケアまで) で様々な組み合わせのあるワクワク感と、中身の総額は必ず 購入価格より高いという福袋的ルールでお得感を醸成し、 コスメの新しい販売方式として 注目を浴びている。
様々な種類のブラインドボックスが人気を博すことそのものが、さらにブラインドボックス ブームに拍車をかけている。

3. ブラインドボックスの新たな試み ― 物流停滞下の資源活用

22年3月以降、 新型コロナ感染拡大による上海ロックダウンは物流・購買にも大 きく影響。 食品購入が困難になり、 毎日早起きしてECで奪い合うように購入するのが生 活の一部となってしまった。 こういった状況の下、1回の買物でより多くの生鮮食品を購 入できるように、各生鮮食品ECは野菜ブラインドボックスという販売方式に乗り出した。 中には、人参・玉ねぎ・ジャガイモなど輸送しやすい物資を取り入れた野菜ブラインドボッ クスを各家庭に配布した区もある。 ロックダウンという特殊な状況下において、ブラインド ボックスは市民の食料問題に対応するだけではなく、 退屈な隔離生活にわくわく感と楽し みを添えるものとなっている。

記事の出典:
https://www.intage-china.com/jp/news-view/388.html


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