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車が必要不可欠な国とそうでない国 (Statista)

金融サービス提供会社BNPパリバが2022年に発表した調査によると、調査対象の18か国の多くの車所有者は、個人利用のために乗用車を保持したいと考えている。個人車所有を手放しても良いと答えた割合が最も高いのは、ブラジル(36%)、ノルウェー(35%)、日本(35%)であり、一方でオーストリアが最も低く、22%にとどまっている。しかし、車を所有しない選択肢に関心がある回答者の多くはまだ完全には決断していないようだ。
BNPパリバの年次消費バロメータ「L’Observatoire Cetelem」の自動車版調査で、個人車所有を確実に諦められると答えた割合は国ごとに異なり、ドイツ(14%)、トルコ(12%)、ノルウェー(11%)、アメリカ(11%)がトップに位置している。
興味深いことに、完全に車所有を手放す意向は、必ずしも信頼性のある公共交通機関の整備と結びついているわけではない。たとえば、日本では都市化が進み交通網が発達しているにもかかわらず、将来的に車を持たないことを「確実に想像できる」と答えた車所有者はわずか6%である。
一方でドイツは、ユーロ開催期間中に公共交通機関の乗客数が増加し、対応が困難であったとDeutsche Welleの報告で話題になった。追加の乗客がいなかったとしても、2023年には地域列車の90%、長距離列車の64%が定刻通りに到着しており、2016年以降長距離接続の時間厳守率は毎年低下傾向にある。
調査結果とは裏腹に、乗用車の新車市場は前年より拡大している。欧州自動車製造者協会(ACEA)のデータによれば、2023年の世界の新車販売台数は前年比10%増の7,200万台に達し、その半数がアジアで、31%が中国で販売されている。個人車所有を見直す動きがある一方で、特に成長中の経済圏では、車は今でも「ステータスシンボル」としての価値が見出されている。

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記事の出典:
https://www.statista.com/


  • Intage Inc

    執筆者プロフィール
    フロリアン・ザント

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