imagesColumn

アメリカ英語とイギリス英語だけではない英語の世界

images

アメリカ英語とイギリス英語だけではない英語の世界

英語は世界中で話されていますが、その特徴は大きくアメリカ英語とイギリス英語に分けられると言われます。しかし、実際に英語が話されている国々では、どちらが主流なのでしょうか?また、国ごとの英語に対する理解度やイメージにどのような違いがあるのでしょうか?これらの点を探るために調査を行いました。

英語圏各国の地理と歴史

今回調査対象とした英語圏の国々について、地域と歴史を整理しました。

images

images

以下は、例として「ガソリン」「おむつ」「テイクアウト」に関する検索結果です。(アメリカは検索条件の都合上除外)

images

英語の自己認識

ここからは弊社で実施したアンケート調査結果をご紹介したいと思います。下記仕様にてインターネット調査を実施しました。

images

まずこの調査では「あなたはどのような英語を話していますか?」というダイレクトな質問をしてみたところ興味深い結果が得られました。

images

検索ヒット数と似たような傾向になるかと想像していたのですが、多くの国で「どちらでもない」が予想以上に多く出てくる結果となりました。中でもオーストラリア、ニュージーランド、シンガポールは「どちらでもない」が最大派閥となり、自国英語は独自のものとの認識が強いことがわかりました。「どちらでもない」を抜いた数値では、シンガポールとインドがまたもアメリカ英語とイギリス英語が分散する形となり、様々な形で混在している状況と推察することができます。

英語の理解度

では逆に各英語の理解度はどうでしょうか。「あなたにとって●●英語はわかりやすいですか?」と●●に国名を入れて理解度を聞いてみました。アメリカ英語とイギリス英語についての結果がこちらです。

images

アジア圏が若干低めではあるものの、グローバルで存在感のあるアメリカ英語が高い理解度となりました。イギリス英語が強い国でもアメリカ英語の理解度が高いのは映画やテレビなどでアメリカ英語に触れる機会が多いからと考えらえます。

自国の英語はイギリス英語でもアメリカ英語でもない、という国も多かったので、次はイギリス英語とアメリカ英語以外の理解度についても見ていきたいと思います。上記の結果に5ヶ国の英語理解度を追加した結果がこちらです。

images

全体的に理解度が低い緑色セルが目立つ結果となりました。オーストラリア英語(OZ English)やニュージーランド英語(Kiwi English)は自国以外の理解度も多少あり、中でもオセアニアのオーストラリア・ニュージーランドは隣国としてお互いの理解度が高い結果となりました。一方で、アジア圏のシンガポール英語(Singlish)やインド英語(Hinglish)、フィリピン英語(Taglish)はお互いの理解度は低く、国ごとに独自性が高い英語が発展しているという見方をすることもできるかと思います。

英語のイメージ

では最後に各英語に対するイメージを見ていきたいと思います。ここではイギリス英語とアメリカ英語、自国の英語の3つについてイメージTOP3項目を見ていきます。

images

アメリカ英語は「標準的な」「明瞭な」「カジュアルな」がほとんどの国でランクインしました。一方でイギリス英語は「上品な」が最も多く他にも「洗練された」「標準的な」が多くランクインしています、自国の英語に対しては「カジュアルな」「親しみやすい」「楽しい」イメージが強く出ています。ざっくりとまとめると「標準的なアメリカ英語」「上品なイギリス英語」「親しみやすく楽しい自国英語」というポジショニングが見えてきます。

マーケティング上では、固有の言語がある国と比べると英語圏の国は生活者とのコミュニケーションでのローカライズが軽くなることが多いかと思いますが、親しみやすい自国英語などをピンポイントで使うなどするとイメージアップにもつながるかもしれません。是非、各国特有の英語表現を調べてみてください。

images


  • Intage Inc

    執筆者プロフィール
    鈴木 史晴

    インテージのグローバルリサーチャー。ニュージーランドでのワーキングホリデーやベネズエラでの青年海外協力隊を経てインテージに入社したのち、15年以上にわたり様々な手法でのグローバル調査を手掛けている。これまでに調査を行った国は30ヶ国以上に上り、自動車、食品、電機、日用雑貨など幅広い業界で豊富な経験を積んできた。現在は育児のため時短勤務中で、海外出張に行けないことが唯一の悩み。

  • Intage Inc

    編集者プロフィール
    高浜 理沙

    Global Market Suferのサイト作りを担当。

転載・引用について
  • 本レポート・コラムの著作権は、株式会社インテージ または執筆者が所属する企業が保有します。下記の禁止事項・注意点を確認の上、転載・引用の際は出典を明記ください 。

    「出典: インテージ 調査レポート「(レポートタイトル)」(●年●月●日発行)」
    「出典:Global Market Surfer ●年●月●日公開
  • 禁止事項:
    • 内容の一部または全部の改変
    • 内容の一部または全部の販売・出版
    • 公序良俗に反する利用や違法行為につながる利用
    • 企業・商品・サービスの宣伝・販促を目的とした転載・引用
  • その他注意点:
    • 本レポートを利用することにより生じたいかなるトラブル、損失、損害等について、当社は一切の責任を負いません
    • この利用ルールは、著作権法上認められている引用などの利用について、制限するものではありません
  • 転載・引用についてのお問い合わせはこちら