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東南アジアにおけるオーラルケア実態:歯磨きは1日○○回!?

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言語・文化は違えど、他者とのコミュニケーションで重要な役割を果たす「口」まわりはケアしておきたいと思うのは万国共通。それでも国によってどういった方法で、どんな風に、どんな場面でオーラルケアが行われているかは異なるようだ。今回は東南アジアのオーラルケア実態を紐解いていきたい。

東南アジア各国で使われるオーラルケアアイテム 

東南アジアにおいてもやはり歯磨きによるオーラルケアが主流なようだ。そんな中、フィリピンでは歯ブラシ・歯磨き粉だけでなく、マウスウォッシュ、デンタルフロス なども含めスコアが高く、オーラルケアに対する意識の高さがうかがえる。

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図①現使用オーラルケアアイテム(項目一部抜粋)【ベース:各国男女18~64歳】
(出典:インテージGlobal Viewer(2024年))

歯磨きは1日4回以上!?

オーラルケアアイテムの使用率が高いフィリピンについて深堀をしていきたい。
1日の歯磨きの回数を見てみると、4回以上という人の割合が最も多く、3回以上である人を合計すると60%を超える。

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図②:1日の歯磨き回数【ベース:フィリピン男女18~64歳】
(出典:インテージGlobal Viewer(2024年))


 

歯磨きタイミングでは、一般的に考えられる朝(起床後、朝食後)や夜(夕食後、就寝前)に加えて、半数以上の人が昼食後にも歯磨きを行っている。また外出前に行う人も一定数いることから、毎食後・外出前に歯磨きをする習慣が回数の多さにつながっているようだ。

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図③:歯磨きタイミング【ベース:フィリピン男女18~64歳】
(出典:インテージGlobal Viewer(2024年))

使われている商品は?

では、どんな歯磨き商品が使用されているのだろうか?
インテージの海外生活者データベースConsumer Life Panoramaをのぞいてみると、フィリピンではColgateの歯磨き粉が目立って見られ、その中でもFresh(清涼感)、White(白さ)、Cavity Protection(虫歯予防)のような基礎的機能を持つ商品が多い。
一方東南アジアの中でフィリピンよりも市場の発展が進むタイのデータを見ると、フッ素、ビタミンC、キシリトールなどの成分配合、オーガニック、子ども用など多岐に渡る機能や成分を持ち合わせた商品が見られる。タイと比較するとフィリピンではまだニーズの細分化が進んでいないようだ。

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図④フィリピン在住者の使用歯磨き粉。Colgateが多く見られ、Fresh(清涼感)、
White(白さ)、Cavity Protection(虫歯予防)のような基本的な機能訴求が中心。 

(出典:インテージConsumer Life Panorama)

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図⑤タイ在住者の使用歯磨き粉。オーガニック(左から1枚目)、キシリトール・ビタミンC配合(同2枚目)、
フッ素配合(同3枚目)、子ども用・ハーブ成分配合(同4枚目)など機能効果が多岐に渡る。

(出典:インテージConsumer Life Panorama)

ニーズの多様性を見抜けるかがカギ

東南アジアの中でも、フィリピンの人々は歯磨きの回数が多いなどオーラルケア習慣に特徴が見られた。しかし、歯磨きに対するニーズはまだ細分化されていないようだ。今後、経済が発展し、生活水準が上がっていく中で、ニーズが多様になっていく可能性は高い。より深く生活者を理解し、そのニーズをつかむことが市場参入のヒントになっていくのではないか。

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インテージがストックする11ヵ国(アジア・US)の生活者の様々な実態・意識に関するアンケートデータを用いて、ご課題に応じたレポートをご提供するサービス。
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  • Intage Inc

    執筆者プロフィール
    鹿島 渉

    日用雑貨領域のリサーチャー。学生時代、カナダへの留学で現地インターンを経験。海外の地でも人々の生活に溶け込む日本企業製品に感銘を受け、グローバル進出のサポートができるインテージへ入社。
    関西出身。趣味は、ラーメンめぐり。

  • Intage Inc

    編集者プロフィール
    高浜 理沙

    日系のFMCGメーカー(化粧品、ベビー用品、食品・飲料等)のアジア・欧米でのマーケティング・リサーチ支援に従事したのち、2019年より現職にて、日系企業の海外マーケティング・リサーチのためのソリューション開発や、セミナー等の対外発信を行う。
    子どもが生まれてからは、家族と自身の心身の健康をいかに保つかが最大の関心事で、様々なグッズ・サービスを試している。

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    「出典:Global Market Surfer ●年●月●日公開
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