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各国Z世代をまるわかり:価値観と衣食住から見る国別トレンド

世界人口の約4分の1を占め、今後最大の消費者層として注目されるZ世代(1996〜2010年生まれ、2025年時点で15〜29歳)。海外各国のZ世代はどのような価値観を持ち、何を求め、また国を超えた共通点はあるのでしょうか。
この記事では、インテージが保有する生活者データベース「Global Viewer」*を用い、アジア10カ国のZ世代を比較しながら、その共通点と違いを解説します。
なお各国を比較するデータでは、一人当たりのGDPが高い順に「先進国」「準先進国」「発展途上国」の3つに分類しています。

*Global Viewerとは
インテージがストックする11カ国(アジア・US)の生活者の様々な実態・意識に関するアンケートデータを用いて、ご課題に応じたレポートをご提供するサービス。
カバーしている項目は、各種商品・サービスカテゴリーに関する行動実態・意識、価値観・情報接触など400項目に及ぶ。

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1.Z世代の価値観 ~ものごとを判断する基準~

まずはアジア各国Z世代の価値観について、インテージが保有する定量データ「Global Viewer」*を用いながら比較します。

(1)Z世代の価値観 ~健康に関する考え方~

「健康」に関しての調査結果は、先進国では健康的な習慣を意識する人が少ない一方で、発展途上国では食生活の管理などを日常的に行う傾向が見られます。これは、医療体制の充実度とも関係していると考えられます。先進国では、特別な努力をしなくても健康維持や長寿がある程度期待できるという安心感が影響しているのでしょう。

各国Z世代の健康に関する考え方(アジア、10カ国)

韓国では健康意識が比較的低いとされる一方で、メーカーの工夫によって「無理せず健康管理ができる商品」が広がりつつあります。その結果、楽しみながら健康を意識する“ヘルシープレジャー”がトレンドとなり、Z世代を中心に健康志向が高まっています。

代表的な事例が、全国に1,300店舗以上を展開する韓国最大のヘルス&ビューティーストアOLIVE YOUNGです。コロナ禍以降、女性向け健康商品(Wケア)やサプリメント、インナービューティー、健康食品などのラインナップを拡充し、ウェルネスを前面に打ち出す戦略を強化しました。その結果、同店の2023年の健康機能食品の売上は前年比で45%以上のびています。

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最近では、液体と錠剤(サプリメント)を1本に組み合わせた“二重製剤型”のマルチビタミンが店頭で多く見られるようになり、若者から人気を集めています。中でも、ビタミン10種・ミネラル7種にベータカロテンを加え、合計18種類の栄養素を一度に摂取できる「I’m vita イミューンショット」(34,900ウォン ・約3,600円/16本入り)や、ドイツ発のプレミアム健康機能食品ブランドによる「orthomol immune マルチビタミン&ミネラル」(34,900ウォン ・約3,600円/7本入り)が好評を博しています。

関連記事:【アジア各国のZ世代】手軽に楽しく健康を管理する韓国Z世代
韓国のZ世代には、自分に合った健康管理を模索しながら、無理なく、そして楽しく取り入れるスタイルが広がっています。そのきっかけを作った韓国最大のヘルス&ビューティーストア「OLIVE YOUNG」を紹介しています。新たなトレンドとして進化し、Z世代のライフスタイルに根付こうとしている“ヘルシープレジャー”のマーケティングについても取り上げます。

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(2)Z世代の価値観 ~子育てに関する考え方~

「子育てに関する考え方」の調査では、先進国では親自身が現状に満足していることも影響してか、子どもの教育に多額の費用を投じる意欲は比較的低い傾向があります。これに対し、準先進国や発展途上国では、教育やスポーツなどに積極的に投資し、子どものスキルを伸ばしたいと考える親が多く見られます。

各国Z世代の子育てに関する考え方(アジア、10カ国)

関連記事:【アジア各国のZ世代】Z世代の未来観:10カ国比較で見えた「希望」と「現状維持」
 「1年後の個人経済状況」「健康」「ほしい資産」「子育て論」という4つの視点からZ世代の未来像を分析すると、先進国では“今の生活を維持したい”という安定志向が強く、発展途上国では“今より良くなる”という前向きな意識が目立ちました。Z世代が大切にする価値観や行動は、国の発展段階によって大きく異なることが分かります。

(3)Z世代の価値観 ~自身の将来に関する考え方~

「1年後の個人経済状況をどのように考えているか」の調査では、先進国と発展途上国で対照的な傾向が見られました。先進国のZ世代は「今の生活を維持したい」と考える安定志向が強い一方で、発展途上国のZ世代は「今より良くなっていく」という前向きな意識を抱いています。いずれの国でも、将来の経済状況を比較的明るく、安定したものとして捉えている点は共通しているといえるでしょう。

各国Z世代にとって1年後の自身の経済状況(アジア、10カ国)

なかでも、自身の経済状況が「良くなる」と考えるZ世代が多いタイでは、起業や新しい挑戦をする若者が目立ちます。例えば、20代の女性がオーナーを務めるコスメブランドの「LOVE POTION」は、TikTokアカウント(フォロワー数330万人: @lovepotion_officialth)を活用し、ライブ配信を通じて商品を販売することで急成長を遂げました。同ブランドは、オーナーが17歳のときに「手頃な価格で、品質のよい商品を届けたい」という思いからスタートしました。

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関連記事:【アジア各国のZ世代】タイ編:Z世代が求める働き方 若い女性による起業に注目
タイで人気の高いIT企業や国内財閥系企業を抑え、「就職したい会社トップ55社」で1位に躍進した化粧品ブランド「SRICHAND」。彼らはタイの経済成長をどのように捉え、Z世代はどのような働き方を求めているのでしょうか。タイの就職人気ランキングをもとに、Z世代が理想とする働き方の実態を探ります。

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(4)Z世代の価値観 ~モノ保有に関する考え方~

各国Z世代の女性が「これから持ちたい、あるいは増やしたいと考えている資産」についての調査では、国の発展度が高いほど、いわゆる贅沢品への購入意欲は低い傾向が見られました。先進国では高級腕時計や高級ジュエリーなどへの関心があまり高くない一方で、準先進国では金・金塊、車といった物的資産に対する関心が強く表れています。

Z世代の持ちたい/増やしたい資産(女性)アジア10カ国

次に、物欲が少ないとされるZ世代ですが、自身の身の回りのモノ への意識はどうでしょうか。「Global Viewer」*による調査では、Z世代の女性は先進国では身の回りのモノへの執着が比較的少ないのに対し、準先進国・発展途上国では、モノを通じて生活をより良くしたいという傾向が強いことが分かりました。
また、モノを購入する際の基準を見ると、先進国では安心・安全や機能性を重視する一方、準先進国では自分らしさを表現できる商品を好み、発展途上国では安全性や機能を優先する傾向が見られます。

Z世代の身の回りのモノに対する行動・考え方(女性)アジア10カ国

(5)Z世代の価値観 ~買い物に関する考え方~

「情報収集に関する行動・考え方」の調査結果を見ると、台湾を除く先進国では、意外なことに積極的に情報を収集する傾向は見られませんでした。一方で、準先進国や発展途上国では、関心のあるテーマに関して、消費者自らが多角的に情報を集める姿勢が強いことが分かりました。

Z世代の情報収集に関する行動・考え方(女性)アジア10カ国

では、日常的な買い物についてはどうでしょうか。
先進国のZ世代は、品質が安定していることから、初めて購入する商品であっても比較的慎重さは少ない傾向が見られます。その反面、準先進国や発展途上国では、品質や成分を比較するだけでなく、価格も考慮して慎重に判断する姿勢が明らかになりました。

Z世代の日常的な買い物に関する行動・考え方(女性)アジア10カ国

関連記事:【アジア各国のZ世代】身の回りモノに対する考え方・物欲が少ない先進国Z世代女性~
Z世代であっても、国によって価値観やライフスタイルには大きな違いがあります。調査では、各国をGDP別に3つのグループに分け、Z世代の特徴を「身の回りのモノに対する行動・考え方」「情報収集に関する行動・考え方」「日常的な買い物に関する行動・考え方」「今後保有したい資産」の4つの観点から分析しました。これらの視点を通して、Z世代がどのような価値観で日常生活を送り、何を重視しているのか明らかにします。

2.各国Z世代の「衣食住」

次に、私たちの生活に欠かせない「衣・食・住」について、アジア各国のZ世代に見られる傾向を、インテージが保有する生活者データベース「Global Viewer」*をもとに、具体的な事例とともに紹介します。

(1)「衣」事情~身を飾るもの~

まず「衣(身を飾るもの)」として、ヘアケアやメイクアップ化粧品に関する傾向を見ていきます。例えば、タイではZ世代女性の55%が「抜け毛」に悩んでおり、若いうちから髪のケアに関心を持つ姿が目立ちます。こうしたニーズに応えるように、体質に合わせた天然素材を用いた商品も多く登場しています。

Z世代(18‐29歳)女性の髪・頭皮に関する悩み(MA)アジア10カ国

商品の一例として、コブミカン抽出オイルやショウガ、アロエを使ったヘアケア・ボディケアブランド「Kaff & Co.」があります。同ブランドでは頭皮タイプ(ノーマル・オイリー)やフケ、抜け毛といったさまざまな悩みに合わせて選べる商品が展開されています

関連記事:【アジア各国のZ世代】タイ編:若い女性に支持されるヘアケア商品&プロテイン入りミルク
「こんな商品があったらいいな」という声を形にし、Z世代の心をつかむ企業がタイで増えています。特に、Z世代女性の55%が悩んでいる「抜け毛」対策として、タイハーブや天然素材を取り入れたヘアケアブランドが次々と登場しています。

また美と健康への意識が高いベトナムでは、ヴィーガンコスメの人気が高まっています。Z世代女性の51%が「化粧品購入時に成分や効果をよく調べる」と回答しており、ブランドよりも成分や効能を重視する姿勢がうかがえます。興味深いのは、ヴィーガン製品が単なる「エシカル」な選択肢にとどまらず、「おしゃれ」や「トレンド」としても受け入れられている点です。流行として取り入れたことが、やがて環境問題への意識を高めるきっかけにもなり得ます。また、市場では日本ブランドよりも欧米ブランドの評価が高いことも明らかになっています。

ベトナムZ世代女性の各国化粧品に対する印象

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https://tgmresearch.vn/tgm-pro-vietnam-bao-cao-phan-loai-rac-tai-nguon.html

関連記事:【アジア各国のZ世代】健康と環境意識の高いベトナムZ世代~注目されている「ヴィーガンコスメ」~
「美」と「健康」への関心が強いベトナムで、いま注目を集めているのがヴィーガンコスメです。国内ブランドにこだわらず、自分に合った成分や効果を重視する傾向が見られます。ホーチミンやハノイといった大都市圏では環境問題への意識も高まりつつありますが、国全体ではまだ発展途上の段階にあります。

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フィリピン・ベトナム・インドネシアでは、外出時にマイボトルやタンブラーを持ち歩くZ世代が多く見られます。

「外出する時は必ずマイボトルやタンブラー等を持っていく」と思っている各国Z世代の割合

特にインドネシアでは、エコ意識だけでなく、自分らしさを表現するファッションの一部としてのマイボトルが習慣化しています。自動販売機やコンビニエンスストアのインフラが日本ほど整っておらず、外出先で飲み物を気軽に購入しにくいため、マイボトルは実用的な水分補給手段となっています。こうした背景から、自分に合ったデザインを求めるZ世代が増えているのです。

関連記事:【アジア各国のZ世代】インドネシア編:Z世代に支持されるフュージョンコーヒー&マイボトル
Z世代は冷たい飲み物を好む傾向にあり、コーヒーにスパイスや果物などを組み合わせたフュージョン系ドリンクが人気です。天然素材やハラール、健康志向に加え、環境意識からマイボトル持参も定着してきました。高価格帯のステンレスタンブラー専門店や、マイボトル持参で割引を行うローカルコーヒーショップも支持を得ています。

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一方で韓国では、マイボトルはZ世代にあまり使われていません。カードサイズの小さな財布とリップなど最小限のコスメを入れられるミニバッグが人気で、トートバッグにマイボトルを入れると「コーディネートのバランスを崩す」として好まれない傾向にあります。

関連記事:【アジア各国のZ世代】韓国Z世代の飲料に関する考え方とトレンドとの関係
カフェ店舗数がコンビニエンスストアの約2倍にのぼる韓国は「カフェ大国」と呼ばれ、安価でおいしく、メニュー豊富なカフェはZ世代にも支持されています。一方で、マイボトルはミニバッグの流行に合わないことから利用が進まず、エコ意識では他国に遅れをとっています。

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(2)「食」事情 ~お腹を満たすもの~

続いて「食」について見ていきます。
日本関連の商品が人気なのはインドネシアとベトナムです。インドネシアでは訪日客の増加を背景に、Z世代を中心に和菓子への関心が高まっています。もともと「KUE MOCHI」という伝統菓子があり、日本の「DAIFUKU」も受け入れられやすく、今後さらに浸透していくと考えられます。

インドネシアZ世代(女性)が訪日の際に買いたい日本土産

関連記事:【アジア各国のZ世代】インドネシアZ世代に人気の日本スイーツ&ハラール化粧品
インドネシアでは日本が人気の旅行先となり訪日客が増加し、SNSの影響や伝統菓子との親和性から和菓子への注目も高まっています。2024年10月にはハラール認証表示が義務化され、天然成分やハラール化粧品が人気を集め、価格や使用感・心地よさも重視されています。

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ベトナムのZ世代女性には、日本酒や抹茶を組み合わせた飲料が人気です。健康志向から添加物を避ける傾向がある中で、日本酒は製造地が明確であることから寿司ブームとも相まって注目されています。またSNSの影響で“見た目”も重視され「抹茶×ココナッツジュース」も支持され、抹茶は健康的で品質の良い飲み物として広く受け入れられています。

Z世代女性の日本酒購入時重視点

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関連記事:【アジア各国のZ世代】ベトナム編:Z世代女性に人気な飲料 ~日本発祥との融合~
人口1億人を超え、東南アジアで最も勢いのある国・ベトナムでは、健康志向の強いZ世代に抹茶を使った飲料が人気です。飲料選びでは「製造地の明確さ」や「天然素材」が重視され、日本酒は信頼性や寿司との相性から他国より高い支持を得ています。

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台湾ではコロナ禍以降、冷凍食品やインスタントラーメンなど、自宅で手軽に食べられる食品が人気を集めています。スーパーやコンビニエンスストアで簡単に入手できる点もニーズに合致しています。ただし「便利さ」だけでなく、データからも分かるように、台湾は他国に比べてインスタントラーメンの味や風味へのこだわりが強いのが特徴です。

各国Z世代の即席食品を購入する際の重視点

Z世代の健康意識の高まりは、インスタントラーメンにも影響を与えています。2024年11月に発売された「滿漢大餐」の新商品「減鈉25%蔥燒牛肉麵(減塩25%ネギ焼き牛肉麺)」は、台湾のインスタントラーメン市場で初の“減塩・健康配慮型”商品として注目を集めています。

関連記事:【アジア各国のZ世代】台湾編:Z世代の価値観を反映した人気のインスタントラーメンとクッキー
台湾ではインスタントラーメンが生活に根付き、年間約9億食が消費されています。Z世代を中心とする健康志向から減塩やベジタリアン向け商品も登場し、SNSでは少ない予算で楽しめるインスタントラーメンのアレンジ技も共有されています。また質の高いクッキーに注目が集まり、整理券が発行されるほど人気です。

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他にも、台湾では冷凍食品の人気が高まっています。共働きで忙しい家庭が多い中で、電子レンジで加熱するだけで手軽に調理できる冷凍食品は欠かせない存在となり、年間450億食が消費されています。人気グルメ系YouTuber「千千(チェンチェン)」と開発した「麻辣豬皮(マーラージューピー)」は、ピリ辛でご飯やお酒に合う味付けと柔らかい豚皮が好評となりました。コラーゲンを手軽に摂取できることから、Z世代女性を中心に支持され、2023年9月から翌年5月までに30万袋(1袋49元=約240円)を売り上げました。

関連記事:【アジア各国のZ世代】台湾編:家で楽しむグルメ志向の冷凍食品とクラフトビール
台湾のZ世代は「自宅で気軽に楽しめる」冷凍食品やクラフトビールに注目しています。時間に追われる人が多い中、冷凍食品はコロナ禍以降も市場拡大が見込まれます。コンビニ各社もコラボ商品を展開し、Z世代向けの売上は好調です。物価高による家飲み需要の高まりを背景に、地元メーカーのクラフトビールも人気で、SNS映えするデザインやフレーバー、アルコール度数9.99%の高アルコール商品も人気です。

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フィリピンのZ世代にとっての食事は、生活の中で最も重要で娯楽・楽しみの一つでもあります。英語圏でアメリカの影響もあることから、外食では欧米料理が自然に受け入れられ、デリバリーも充実しています。一方、家庭で自炊する場合は50% が「安定の家庭料理=フィリピン料理」を食べると回答しています。かつてのスペインやアメリカの統治の影響もあり、他国文化を受け入れる柔軟性が高く、日本食・和食も今後さらに浸透する余地があります。

関連記事:【アジア各国のZ世代】フィリピンZ世代の好みの料理が国民性を表す~西洋料理vs日本料理~
Z世代にとって食事は大きな楽しみのひとつです。。外食では欧米料理が広く受け入れられ、レストランチェーンも多く見られます。テイクアウトやデリバリーでは、ハンバーガー(マクドナルド、バーガーキング)、サンドイッチ(サブウェイ)、フライドチキン(KFC)、ピザ(シェーキーズ、ピザハット)などの西洋料理がよく選ばれます。その一方で、家庭での調理はフィリピン料理が中心で、多くの人が「自国料理が一番おいしい」と誇りを持っています。

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(3)「住」事情 ~生活する場所~

最後に「住」環境に関連して「香り」についてご紹介します。
フィリピンのZ世代を対象に行った「清潔」に関する意識調査では、リビングや洗面所、トイレ、キッチンなどで洗剤の「いい香り」が漂うことで、嗅覚的にも「清潔になった」と感じる傾向が見られました。フィリピンでは「いい香り」へのこだわりが強く、海外製品の使用は「生活レベルを示すもの」と捉えられることもあります。国民全体が香りを重視する文化を持っているといえるでしょう。

Z世代女性にとってキッチンが清潔になったと実感する状態(アジア10カ国)

関連記事:【アジア各国のZ世代】「いい香り」を大切にするフィリピンZ世代
フィリピンのZ世代女性は「清潔さを実感する要素」として、何よりも「いい香り」を重視します。掃除はメイドの仕事とされており、香りを残す習慣があります。なかでも、もっとも清潔感を保つべき場所であるキッチンでは食器洗剤の強い香りが「清潔の証」とされています。また、海外製品の使用は生活レベルやステイタスの象徴としても意識されています。

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3.まとめ

アジア各国のZ世代は、国の経済状況や生活環境に応じて価値観や行動が大きく異なることが、「Global Viewer」*の調査から明らかになりました。
先進国では健康や物へのこだわりが控えめで安定志向が強い一方、発展途上国では消費に前向きで積極的に自己投資や情報収集を行う傾向があります。
衣食住においては、タイやベトナムでは天然素材・ヴィーガンコスメが人気で、インドネシアやベトナムでは健康志向・エコ意識からマイボトルを愛用しています。台湾では冷凍食品やインスタント食品、クラフトビールが家庭消費の中心になりつつあるようです。フィリピンでは食事や香りを通じた生活の楽しみやステイタス表現が重視されます。
このように同じZ世代であっても、国ごとのGDPやライフスタイルに合わせた分析が重要です。



  • Intage Inc

    編集者プロフィール
    チュウ フォンタット

    日本在住14年目マレーシア人リサーチャー。Global Market Surferのサイト作りを担当。

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    「出典: インテージ 調査レポート「(レポートタイトル)」(●年●月●日発行)」
    「出典:Global Market Surfer ●年●月●日公開
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