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【中国】ニューリテールスーパー大手「盒馬」が食の無形文化遺産を応援

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干し柿、餃子餡、点心…職人の実演販売も人気

ニューリテールスーパー「盒馬」が、2019年下半期ごろから中国無形文化遺産保護協会が認定した中国各地の「食の無形文化遺産」の取り扱いを開始した。富平の干し柿、徳発長の餃子餡、陝西省の黄饃饃(饅頭に似た点心)など、各地で無形文化遺産に指定された食べ物を販売、職人による店頭での実演も行い、人気を得ている。
西安の徳発長は、 当初「盒馬」から冷凍餃子の販売を打診されたが、冷凍だと味が落ちてしまうという理由から餡だけを販売し、家で包んでもらうようにするなど、販売方法にもこだわっている。糖度が高く蜜入りのような半熟感を味わえる富平の干し柿(24.9元/約382円)は、上海、杭州などの都市圏で人気を得て、店舗とオンラインを合わせて1ヶ月で50万パックを売り上げた。

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地方の郷土料理がテレビによって注目される

地方の郷土料理をテーマにしたドキュメンタリー番組『舌尖上的中国』(A Bite of China)のヒット以降、地方の老舗や昔ながらの素朴な味が中国で注目されるようになった。一方で、無形文化遺産に登録された食文化を持つ街や村の老舗では、後継者不足や過疎化が問題になっており、都市部の人に、その存在を知られないまま姿を消してしまうものも多い。盒馬はそんな消えゆく中国の伝統を保護し、次の時代に継承していくため、無形文化遺産に指定された食べ物の販売を開始した。盒馬は「アプリ」、「店舗」、「飲食」の3つで成功している小売店で、アプリの写真や映像、口コミでその商品を広く伝え、店頭では調理の実演を見せたり、作りたてをその場で試食してもらったりすることで、幅広い層に魅力を伝えている。

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本記事はTNCライフスタイル・リサーチャー(http://lifestyle.tenace.co.jp/ )とインテージのグローバル・リサーチャーの共同執筆記事です。
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