【ミャンマー】ヤンゴンの富裕層を中心に健康意識が変化/オーガニック食材に熱視線
外国人ターゲットのオーガニック店にローカルから注目が集まる
外資系企業駐在員やその家族をターゲットにしていたオーガニック食材店やレストランが、ミャンマーのローカル富裕層や上位中間層の女性に注目され始めている。
Euromonitorの調査によると、ミャンマーでは、中間層(世帯所得5,000~34,999US$)の割合が、2018年には2000年と比較して約20倍(1.2%→20.6%)となった。お金に余裕が出てきたことで、健康や美への意識も変化。そして、韓流ドラマやK-popの影響もあって、スリムな体型に憧れる人が増え、オーガニック食材を好む傾向が生まれている。
ヤンゴン市内中心部のオーガニックレストラン「Localecafe」は、サラダラップ(8,000ks~12,000ks/約620円~930円)やスムージー(4,500ks~7,500ks/約350円~580円)が看板メニューだ。健康に良いと評判のコンブチャを販売している「Cultures Kombucha」は、ミャンマー在住のカナダ人がオープン。ミャンマー産のセイタロンマンゴーを使うなど、現地産の食材が使われており、1本7,500ks (約580円)だ。
所得水準が上がることで今後もオーガニック需要は高まる予想
民主化後のミャンマーでは、投資や外資系企業への規制緩和が進み、2012年に1,300ほどだった外資系企業が、2017年には6,278社にまで増加。その結果、滞在する外国人駐在員やその家族に向けたオーガニックレストランや食材店が、2014年頃から誕生し始めた。オーガニック食材店は、当時は2店舗ほどであったが、2020年現在、ヤンゴン市内には、10店舗が確認できている。また、個人経営のオーガニック食材店やレストランも増えつつある。
ミャンマーには、脂っこい料理や甘いお菓子が多いが、健康志向の強まったローカル富裕層は、ダイエットのために脂っこい食事を避け、オーガニックな食事を取り入れはじめている。
しかし、日常的にオーガニック食材を購入したり、レストランに通っているのは一部の富裕層・上位中間層のみで、まだ一般的に浸透しているレベルではない。今後さらに所得水準が上がることで、ますますオーガニック食材やレストランの需要は増していくと予想される。
本記事はTNCライフスタイル・リサーチャー(http://lifestyle.tenace.co.jp/ )とインテージのグローバル・リサーチャーの共同執筆記事です。
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TNCアジアトレンドラボ
株式会社TNCが運営する、アジアのトレンドを研究・発信する情報機関。現地の生活者の暮らしや生活習慣に根ざしたトレンドからインサイトを見出し、企業のマーケティング活動の支援を行っています。
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インテージ
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- 2020/08/07
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