【シンガポール】新運賃決済システム「SimplyGo」ついに正式運用開始/マスターカードで公共交通機関が利用可能に
スマートフォンやスマートウォッチで公共交通機関の決済が可能に
シンガポール陸上交通庁(LTA)は、2019年4月4日からマスターカードのデビットカードとクレジットカードに対応した公共交通機関の運賃決済システム「SimplyGo(シンプリーゴー)」を導入した。すでに2017年から、官民合同のプロジェクトによる試験運用が行われており、利用者に好評だったことから正式導入が決まった。新システムでは、非接触決済対応のマスターカード、またはカード情報を登録したスマートフォンを改札機の読み取り部にかざすだけで、MRT・LRT・路線バスの支払いが可能になる。また、Apple Pay、Fitbit Pay、Google Pay、Samsung Payにも対応している。
専用アプリでは利用ルートや支払金額のチェックもでき、大変便利だ。現在はマスターカードのみに向けたサービスだが、すでにVISAカード所持者向けの登録受付も開始されており、遅くとも2019年末までにはVISAカードでも「SimplyGo」が利用できるようになる。
これまで公共交通機関を利用する際は交通系ICカード「EZ(イージー)リンクカード」を購入する必要があった。(一回のみの乗車であればMRT・路線バスでは現金で支払うこともできるが、EZリンクカードより料金が割高となる。)MRT・LRTには各駅にEZリンクカードのチャージ機があるが、バスでカードの残金が不足していた場合は、チャージができず、釣銭の出ない現金払い以外選択肢がないため、大変不便であった。
「SimplyGo」は、国際的なブランドのクレジットカードをそのまま使えるようにした点が画期的で、観光やビジネスで訪れる人にも便利なシステムといえる。LTAとしてはこれを期に公共交通機関の利用者をさらに拡大したい考えだ。マスターカードは今後、世界の主要都市でも同様の運賃決済システムを運用する準備を進めている。
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TNCアジアトレンドラボ
株式会社TNCが運営する、アジアのトレンドを研究・発信する情報機関。現地の生活者の暮らしや生活習慣に根ざしたトレンドからインサイトを見出し、企業のマーケティング活動の支援を行っています。
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インテージ
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- 2019/05/10
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