【インドネシア】礼拝も教会やモスクに行かずに自宅から/オンライン礼拝が一部で浸透
クラスター発生を恐れ礼拝もオンラインを活用する動き
COVID-19の蔓延で、礼拝や大きな宗教行事でのオンライン活用が一部で進んでいる。Jakarta Praise Community Church(JPCC)は、日曜礼拝でオンラインストリーミングを活用している。また、4月に行われたキリスト復活祭(イースター)では、通常は教会に集まり、大人数で集団礼拝を行うが、今年はオンラインを活用した。You Tubeでもイースターに関連する多くの動画が配信され、自宅から各々イースターのお祈りを捧げた。 イスラム教では、集団で行う金曜礼拝の必要性に関する議論が続いていたが、国としては集まりを禁じる方針を打ち出している。イスラム教において着目すべきは、4月24日より始まったラマダン(断食)の過ごし方だ。ラマダンでは日々の断食明けは、同僚や友人、家族と一緒に過ごし、分かち合うことが通例となっている。しかし現状ジャカルタは、大規模社会制限下にあり、外出自粛が要請されているため、オンラインツールがラマダンにどのような影響を与えるのか注目が集まる。メディア企業のKapanLagi Youniverseは、ラマダン初日に、ZOOMを活用したBuka Puasa(断食明け)のイベントを開催。今後も毎週末に開催していくという。
宗派によってさまざまな議論 しかし政府は禁じる方針を示す
韓国で宗教礼拝がクラスターになる事例が生じたため、世界的に宗教行事であっても集まりを自粛する動きが強まった。インドネシアでも様々な議論がなされているが、政府としては禁じる方針を示している。なお、ラマダン明けの帰省についても、ヨーロッパで都市部からの帰省により地方へCOVID-19が広まったため、インドネシア政府も同様の事態を恐れ、ジャカルタからの移動制限を表明している。
本記事はTNCライフスタイル・リサーチャー(http://lifestyle.tenace.co.jp/ )とインテージのグローバル・リサーチャーの共同執筆記事です。
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TNCアジアトレンドラボ
株式会社TNCが運営する、アジアのトレンドを研究・発信する情報機関。現地の生活者の暮らしや生活習慣に根ざしたトレンドからインサイトを見出し、企業のマーケティング活動の支援を行っています。
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インテージ
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- 2020/06/08
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