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【ベトナム】輸入品頼みだったベトナムの化粧品業界に変化/国産オーガニック化粧品の人気上昇中

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製造技術の進化にともない 国産化粧品の品質がアップ

「ホーチミン化粧品協会」の調査によると、ベトナムで販売されている化粧品は、およそ90%が韓国、日本、アメリカ、ヨーロッパなどからの輸入品だったが、近年ベトナム国産の化粧品が増え、注目され始めている。
これまでもベトナムの国産化粧品はあったが数が少なく、パッケージやマーケティングなどが弱い商品が多かった。また、過去には有害物質の混入などの問題があり、品質への不信感も強くみられた。しかし、製造技術の進化と、環境や肌に優しい化粧品を求める人の増加により、国産化粧品の品質が上がってきた。石鹸やスキンケア商品をはじめ、最近ではリップやパウダーなど幅広いラインナップの国産自然派化粧品がある。
人気メーカー「Herbal Cup」では、緑茶やガックフルーツ(ナンバンカラスウリ)、アーティチョークなどから作ったスキンケアグッズが人気で、1アイテム250,000vnd(約1,200円)と価格も手ごろだ。基礎化粧品だけでなくメイクアップ化粧品の開発もしている「Skinna」では、250,000vnd(約1,200円)のリップグロスが人気だ。ホーチミンでは、「Made in Vietnam」の自然派化粧品だけを扱う店舗も増えていいて、ホーチミン2区にある「My Natural Beauty」では、オリジナル商品と、25ブランド500種類以上のベトナム製の商品を扱っている。

商品のパッケージやブランドストーリーも より洗練されたものに

ベトナムでは収入の増加により中間層が増加し、日常的に化粧やスキンケアをする人も増え、化粧品にかける金額も年々増加している。ベトナムのマーケティングリサーチ会社「Q&EM」の調査によると、化粧品に掛ける月間支出額は、2019年の300,000 VND(約1,435円)から、2020年432,000VND(約2,067円)に増加している。
また、世界中の多くの国と同じように、ベトナムでも環境への関心が高まっており、オーガニック化粧品や自然派化粧品を求める人も増えてきている。ベトナムは気候が良く、ココナッツやアロエベラ、ジャスミン、レモングラスなど良質の化粧品原料が育つ。それらを使った化粧品は以前からあったが、生産者が少なく価格も品質の割に高価だった。ニーズの高まりにより生産者が増え、商品のパッケージやブランドイメージ、ブランドストーリーも洗練されたものが増えてきた。天然の成分を使用し、環境に優しいパッケージを使っていることも、消費者の支持を集める重要な要素になっている。

本記事はTNCライフスタイル・リサーチャー(http://lifestyle.tenace.co.jp/ )とインテージのグローバル・リサーチャーの共同執筆記事です。


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