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【ベトナム】企業へのIT導入-若い優秀なデジタル人材を推進役に

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企業のIT投資は、大きく分けて2種類に区別される。一つは、社員が担当してきた作業の一部を省力化・自動化する、定型作業の比較的多い、人事・給与管理、生産・流通管理等を対象とした領域。ここでは、「バックエンドIT」と称する。
 もう一つは、新しいビジネスを生み出し、企業に付加価値向上をもたらすもの、ここでは、「フロントエンドIT」と称する。対象は、サービス・製品の企画開発、提供等の非定型業務である。例えば、インターネット経由で提供されるサービス等はその代表である。
 在越日系企業は、「バックエンドIT」分野では、費用・人材の面からITシステム導入が進んでいない製造業が大半である。但し、省力化・自動化が目的であれば、社内外IT人材の活用で課題解決できる方法もある(例えば、ExcelマクロやBI Toolで、数時間の作業を数分にすることも可能)。会社の形態・規模・課題から、システム導入と人材活用の両輪の使い分けが重要になる。
 「フロントエンドIT」においては、新しいビジネスモデルを創出するなど、よりマーケティング領域での利活用が急速に進んでいる。こちらも、課題解決を考えることをオススメする。課題解決のためには、本質から考える課題整理が必須であり、システム面だけではなく、人的な視点も取り入れながら課題整理をしていくことが望ましい。
 IT導入後、社内定着化させるためには、社内推進役のスタッフの存在が重要である。導入の目的、メリットを理解し、実際のユーザーの社内スタッフらと密にコミュニケーションをとれる、ユーザー視点を理解できる推進役がカギである。
 ベトナム政府が「IT国家」を目指していることもあり、世界的に「技術に強いベトナム人」とのイメージも出てきている。そのような若い優秀なデジタル人材を推進役にすることで、IT化の加速になることを期待する。


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    執筆者プロフィール
    根岸 正実

    INTAGE VN Managing Director。INTAGE Japanで海外調査担当後、INTAGE INDIAの支援に従事。その後INTAGE VNへ赴任して2015年11月から現職。講演や学会論文多数。MBA取得。レポートの詳細はWebサービスのslideShareで「VIEVIEW」と検索。ベトナム駐在員のその他コラムはこちら

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    編集者プロフィール
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