洗濯は誰が行う
まず、洗濯は誰が行うかについてだが、経済的に余裕がある家庭でメイドがいる場合は、メイドが洗濯を行うことが多い。メイドがいても洗剤の銘柄は家族が自分で選ぶというケースが多いが、商品選びはメイドにお任せというケースもある。なかには、洗濯全般はメイドにお願いしても、ベビー・子供服だけは母親が自分で洗濯を行うなど、家庭によって様々である。
洗濯に使うアイテムは主に洗剤。洗剤の種類やタイプは家庭により異なるが、A・Bクラスでは液体タイプが多く使用されているのに対し、C・Dクラスでは粉末タイプが使用されるケースが多い。柔軟剤はA・Bクラスを中心に使用されている様子。
インドネシアの洗剤・柔軟剤は詰め替え用で販売されていることが多く、容器に入ったものを店頭でみかけることはほとんどない。詰め替え用のボトルは使用せずに、その詰め替え用のパッケージのまま使用する。これは衣料用だけでなく、台所用洗剤などにも当てはまる。私自身、着任した当時に容器入りの洗剤を求め、10軒以上の店舗をはしごしたが、結局本体は見つからなかった。計量はどうするのか?と同僚に聞くと、皆が口を揃えて「肌感覚」と言っており、特に細かい量までは気にしていない様子。容器入りを諦め、詰め替えのまま使用しているが、洗剤の減りが多い気がしてならない。この他に1回分毎に小分けになった個包装も販売されており、これは特にC・Dクラスに人気のようである。個包装なので安価で買えることに加え、1回分ごとに計量されているので、使いすぎることがなく経済的のようだ。その他に洗濯用洗剤として、バティック用の洗剤 や衣料用漂白剤なども販売されている。
※バティックとは、ろうけつ染めの布で作られたインドネシアの伝統衣服。主にビジネスシーンや冠婚葬祭の際に正装として着用される。


Consumer Life Panoramaとは
世界18カ国1,000名以上の生活者のビジュアルデータを蓄積した、ウェブサイト型データベース。住環境を閲覧できる3Dモデルや、各生活者の保有アイテムを撮影した2Dデータが多く搭載されており、文字や数字だけでは把握しづらい海外生活者の理解に役立つ。
本コラムで引用したようなビジュアルデータを用いて、
・海外生活者の属性別の違いを比較する
・カテゴリーの使用実態をリアルに把握する
・ターゲット生活者のライフスタイル全体を理解する
等、「現地に行かない」ホームビジット調査として活用が可能。

洗濯シーン
次に洗濯シーンについて紹介したい。まず場所についてだが、部屋数が多い家では、洗濯する部屋は玄関・客間から離れた家の奥に配置されている。これはプライベートな空間なので、なるべくゲストの目に触れない場所で行うためだ。全自動もしくは二層式の洗濯機がある場合は、洗濯を行うための部屋・スペースがある。一方で、特にC・Dクラスなど洗濯機がなく、手洗いで洗濯を行っている場合、バスルームで洗濯を行うことが多い。左記のSEC Dの家庭の場合は、複数あるトイレのうち1つを洗濯部屋として使用している。洗濯に使用するのは、洗剤とバケツと手桶。ホースから出る水を使い、使い終わった水はトイレに流しながら洗濯を行っている。

洗濯の干し場
洗濯の干し場は家庭によって様々だ。特にAクラスは外から洗濯物が見えることに抵抗があり、室内で干すことが多い。居間や寝室などのスペースに干すのではなく、室内干しのための部屋・スペースが設けられており、ホームセンターなどでもスタンド型の室内用物干しが売られている。 C・Dクラスになると、人から洗濯物が見えることに対する抵抗はなくなり、玄関横のスペースや通りから見える場所などに干す。通りにカラフルな洗濯物が干しているシーンはインドネシアでよく見かけるシーンである。

世界第4位の人口を抱え、GDP成長が続く東南アジア最大の経済大国・インドネシア。「インドネシア人の平均的な生活スタイルや価値観」をどれだけ解像度を高く捉えられているでしょうか。
インテージの海外生活者データ「Global Viewer」をはじめとする各種データをもとに、インドネシアの消費者の基本となる「平均」と、そこから見えてくる最新トレンドを整理して解説します。
インドネシア人の「平均」を知ろう! 気候と文化・ハラール・Z世代から読み解く生活者像
・ライフスタイルと住環境:SEC(社会経済クラス)による違い
・宗教・ハラール事情と特有の消費行動




