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【各国結婚と資産事情】フィリピン編:結婚するときの準備

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アジアの中でも欧米文化の影響を強く受けているフィリピン。400年間スペインの植民地であったことから国民の85%がカトリックを信仰し、結婚は教会で祝福されるべきこととされているため、多くのフィリピン人にとって結婚式は必須だと考えられている。富裕層から低所得者層まで収入の格差があり、収入によって生活に大きな差があるフィリピンでは、国内より高い給料が得られる海外で出稼ぎ労働者として収入を得る人が多いのが特徴となっている。

フィリピンでの結婚事情、結婚するときに必要な準備などについて、2021年に結婚したファビアンさん(31歳/男性/会社員)の話などを交え、紹介する。

結婚後の居住形態

フィリピンでは、大学を卒業した後にアパートで一人暮らしをするケースは少なく、家族と同居することが多い。結婚後は二人でコンドミニアムに住むことが一般的になり、二人に十分な収入がない場合は本人たちの両親と二世帯で同居することもある。フィリピンの住居には、メイドが家事をすることが多いため、各部屋に洗面所がついており、同居しやすい居住環境が整っている傾向にある。

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※Nuclear:核家族。夫婦のみ、夫婦と子供の世帯、または片親世帯のことを指す。
Multi-generation:2世代以上同居の家族、かつ子供の年齢が20歳以上のことを指す。(核家族のうち、夫婦と20歳以上の子供の世帯も含む)
Three generation:子供の年齢と関係なく、3世代以上同居の家族のことを指す。

出典: United Nations, Population Division. ”Database on Household Size and Composition 2019”

ファビアンさんの両親は富裕層で、ファビアンさんはアッパーミドル層にあたり、典型的な結婚式をあげる層に該当する。両親がある程度裕福な場合、家やコンドミニアムを買ってもらうことが良くあり、ファビアンさんの場合、父親に買ってもらった実家から徒歩5分の2LDKの新居に住んでいる。家賃を払う必要がないため、奥さんは専業主婦で、ファビアンさんの給料を生活費に当てている。新居が賃貸の場合、一か月20,000ペソ(約45,000円)ほどの家賃が必要となるため共働きの場合も少なくない。

都会の結婚式

マカティにある5つ星ホテル「ニューワールドホテル」のイベントマネージャーのチュアさんによると、中間層以上の間では結婚式を行うことは昔から一般的に行われており、現在も変わらずその傾向は続いているという。

結婚式の予算に関しては、ニューワールドホテルでは、1,000,000ペソから5,000,000ペソ(約230万円から日本円1,150万円)の間で、招待人数によって大きく異なるという。
富裕層は結婚式にお金をかける傾向にあるが、最近では家族だけの少人数のプランを希望する人もいて、60,000ペソ(約14万円)の結婚式も受け入れている。

ファビアンさんの父親によると、結婚式の費用は新郎側が出すことが一般的だが、両家で話し合い半分ずつ出すこともある。招待客はアンパオと呼ばれるご祝儀袋に、ホテルで出される食事の金額と同額を入れて新郎新婦に渡す風習があり、現在も行われている。

新婦の持参金

フィリピンでは、新婦が用意するDowryと呼ばれる持参金の文化があったが、近年では持参金を用意することはほとんどなくなっている。新婦側が用意するものとしては、フィリピンの結婚式の習慣として、ニノン、ニナン(ゴッドファザー、ゴッドマザー)と呼ばれる後見人、メイドオブオナー、ブライズメイド、フラワーガールが式で着用するドレスの費用となっている。また、結婚式では、ダンスを踊る新郎新婦のスーツやドレスに、招待客が現金を安全ピンで付けることがご祝儀になっていたりもする。

結婚指輪と車の購入

結婚指輪については、富裕層は高級ブランド店で購入するが、一般的な若者は特にブランドにはこだわっておらず、友人からの口コミで本人たちが好むものを購入している。昔はゴールドの結婚指輪が好まれることがあったが、今は自分たちで好きなものを購入している。

フィリピンで人気のトヨタ車のディーラーによると、結婚を機に車を購入する人も一定数おり、公共交通機関が良くないため、自分たちでバイクや自家用車を使って通勤するのが理想的とされている。独身の場合はバイクでも良いが、家族の場合は車の方が便利ということで購入する人もおり、家族が増えることを想定し、自分たちの予算に合わせて中古車や新車を購入するとのこと。富裕層の場合、学生時代に親が子どものために車を購入することもあるため、そのまま使うことも多い。新たに新車を購入するとなると、手頃なセダンとしてトヨタ車の「VIOS」が660,000ペソ(約150万円)が人気で、ローンを組んで購入されている。

フィリピン人は家族の繋がりがとても強く、成人になっても親と同居、家族三世代、親戚まで同居するスタイルが珍しく無い。大卒で就職した場合の月給もそれほどもらえるわけでもなく、貯金も限られているため、地方から都会に働きにくることを除けば、一人暮らしをすることはない。キリスト教の習慣で結婚式はあげるが、費用を本人たちでまかなうには限度があるため、家族や友人が二人の門出をできる限り応援する。助け合いが当たり前のフィリピン文化がよく現れている。

インテージのネットリサーチによる自主調査データ

調査地域:日本、中国、香港、タイ、インドネシア、ベトナム、インド、アメリカ、スウェーデン
対象者条件:
・男女20歳~49歳、(人口構成比に合わせてウェイトバックあり)
・主要都市在住(以下参照 ) ・SEC 中間層以上
標本抽出方法:オンラインアンケート調査
標本サイズ:n=328(日本)n=407(中国)n=329(香港)n=323(タイ)n=341(ベトナム)n=339(インドネシア)n=344(インド)n=324(アメリカ)n=327(スウェーデン)
調査実施時期: 2022年2月16日~3月16日
詳細はこちらから >>https://www.global-market-surfer.com/report/detail/152/

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  • TNCライフスタイル・リサーチャー

    執筆者プロフィール
    TNCライフスタイル・リサーチャー

    株式会社TNCが運営する、世界70ヵ国100地域600名に住む日本人女性のネットワーク「ライフスタイル・リサーチャー」が、数字では見えてこないトレンドや、生活者の生声を切り出します。その生情報を元に、企業の課題解決のための提案や商品企画を行っています。
    https://www.tenace.co.jp/

    担当者プロフィール:フィリピン・マニラ在住15年。1992年に初めて来たフィリピンにまさか住むと思っていなかったのですが、昔はマニラ産まれの30代と言って信じてもらえたのに、最近は冗談がお上手ですねと言われる50代になってしまいました。

  • Intage Inc

    編集者プロフィール
    チュウ フォンタット

    マレーシア人リサーチャーです。15年前から来日し、今も東京を拠点とし、東南アジアをはじめ海外のインサイトについて発信しています。

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