【フィリピン】Z世代の間で脱毛需要が高まるフィリピン/低価格で施術を受けられる脱毛サロンが人気
大手ショッピングモールへの出店が多く
利便性の高い脱毛サロンが人気
2020年頃から、フィリピンの若者の間で脱毛の需要が高まっており、 FacebookなどのSNS広告やショッピングモールで脱毛サロンを見かけることが多くなった。K-POPアイドルやハリウッドセレブのファッションの影響、SNSに自撮り写真をアップすることなどによって、脚など肌を露出するファッションが人気となり、より肌を綺麗に見せるため、脱毛への関心が高まった。
フィリピンで人気の脱毛サロン「SkinStation」では、美肌になると評判のダイオードレーザー脱毛機を導入しており、複数回の施術パッケージを販売。予約することでどこの店舗でも施術を受けられるシステムになり、大手のショッピングモールにはおおよそ出店しているため、利用者にとって利便性が高くなっている。一番人気のメニューはワキ脱毛で、4回分で2,500ペソ(約6,130円)と、1回あたり約2,000円と低額。ブラジリアンワックス脱毛は、4回で6,500ペソ(約15,940円)。病院でレーザー脱毛を受ける場合、1回で5,000ペソ(約12,261円)程度かかるため、比較的安い価格で脱毛を受けることができる。「SkinStation」の他、「Belo」などの脱毛サロンがショッピングモールへの出店を積極的に進めている。
若い世代を中心に脱毛への意識が変化
10代の利用者が多く、親が子へ勧める場合も
一年を通して温暖な気候のフィリピンだが、 10年ほど前までは女性が脚を露出することに対して、ネガティブなイメージが強かった。しかし、韓国や欧米のファッショントレンドによって、若い世代を中心に意識が変化している。親世代である40~50代の現地フィリピン女性数名にヒアリングしたところ、元々フィリピン人は体毛が濃い人が多く、特に眉毛や腕の毛が濃いため、子ども時代に”Unggoy(猿)”とからかわれた経験がある人も多い。そのため自分の子どもには、嫌な思いをさせたくないということから、親が子どもに脱毛を勧めているという。「SkinStation」によると、脱毛を希望する最も多い年齢層が10代になり、施術を受けた10代の約50%が、親の勧めによって脱毛の施術を受けたという。本人が望んで脱毛を受けるパターンだけでなく、親が勧めることも多いことが、脱毛需要拡大の背景にある。
本記事はTNCライフスタイル・リサーチャー(http://lifestyle.tenace.co.jp/) とインテージのグローバル・リサーチャーの共同執筆記事です。
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TNCアジアトレンドラボ
株式会社TNCが運営する、アジアのトレンドを研究・発信する情報機関。現地の生活者の暮らしや生活習慣に根ざしたトレンドからインサイトを見出し、企業のマーケティング活動の支援を行っています。
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インテージ
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- 2022/11/25
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