【フィリピン】健康的な食への関心が高まるフィリピン/海外発のヘルシースイーツショップが続々オープン
「Koomi」や「Nine Fresh」などヘルシースイーツの人気ショップが登場
オーストラリア発のヨーグルトドリンク店「Koomi」が、2020年にフィリピンにオープンし、続々と店舗を増やしている。2022年11月時点では、フィリピン国内に43店舗を展開するほど、急成長を遂げている。「Koomi」のドリンクは、ヨーグルトにフルーツをいれ、ミキサーにかけて提供している。人気のメニューは、バナナとベリー類が入った「Banana Dance With Some Berries」(175ペソ/約425円)。メニューは現在15種類あり、フルーツやナッツを追加できる。価格は115~175ペソ(約280円~425円)程度になり、タピオカミルクティと同じ価格帯で販売されている。砂糖とミルクを大量に使ったタピオカミルクティより、健康的なイメージがある。ヨーグルトの甘さは、甘いフィリピンブレンドと甘さ控えめなオージーブレンドから選べるほか、中に入れる蜂蜜の量も選ぶことができ、自分の好みにカスタマイズできる。
「Koomi」と同時期にシンガポールから「Nine Fresh」という、豆腐やゼリーに豆や白玉をのせる中華系のデザート店もフィリピンに上陸。豆腐と仙草ゼリーが入った「Nine Fresh Signature」などがあり、100ペソ(約253円)前後の価格となっている。デザートのほか、フルーツや豆乳の飲み物も販売しており、甘さが0%から100%まで選べるようになっている。甘くなければデザートではない食文化から、甘さ控えめなデザートや甘さを選べるシステムが広がりつつある。
健康意識の高まりから伝統的なデザートやドリンクの代替として人気となっている
フィリピンでは甘いデザートやドリンクを好む傾向がある。しかし、コロナ禍に肥満や糖尿病のリスクが指摘されたため、健康的な食への関心が高まっている。ハロハロ(フィリピンの代表的なかき氷デザート)やタホ(豆腐に黒蜜とタピオカをかけた伝統的なデザート)などフィリピンのデザートは、かなり甘い味付けのため、その代替になる海外の甘さ控えめのデザートということで、人気になっている。フィリピンは砂糖を自国で生産できる国だが、無計画な輸出をした結果、国内での砂糖の値段が高騰。2022年9月にはフィリピン人が好むコカ・コーラが一時生産を中止する事態になった。フィリピンの成人の7%が糖尿病を患ってるというデータもあり、この砂糖価格の高騰や砂糖不足という問題を、糖尿病予防や健康改善に活かそうという考え方も生まれている。
本記事はTNCライフスタイル・リサーチャー(http://lifestyle.tenace.co.jp/) とインテージのグローバル・リサーチャーの共同執筆記事です。
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TNCアジアトレンドラボ
株式会社TNCが運営する、アジアのトレンドを研究・発信する情報機関。現地の生活者の暮らしや生活習慣に根ざしたトレンドからインサイトを見出し、企業のマーケティング活動の支援を行っています。
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インテージ
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- 2022/12/26
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