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【ベトナム】ベトナム人女性の上級管理職はアジア2位 家事負担サービスの高い潜在性

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 インテージの情報サイトGlobal Market Surferによれば、「1週間当たりの労働時間」を日本とベトナムで比較すると、日本人女性は31.3時間、ベトナム人女性は37.95時間で、日本人女性よりベトナム人女性のほうが6.65時間労働時間が長い。また「労働時間の男女格差」は日本が6.65時間、ベトナムが2.29時間であり、ベトナムのほうが労働時間の男女格差が少ない。


 つまり、日本人女性と比較してベトナム人女性は労働時間が長く、男性と同程度の時間を働いていると言える。


 ベトナムは女性の社会進出先進国の一国と見なされており、米大手会計事務所の発表によると、ベトナムの上級管理職に占める女性の割合は36%、調査対象国中アジア2位である。そもそも、ベトナムには「配偶者控除制度」が存在しないので、健康な女性は控除が受けられず、共働きが一般的だ。勤務時間中の育児は親が行い、親のサポートがない場合は、手ごろな価格で利用できるベビーシッターや保育園、託児所に預けて女性は働く。保育園の待機児童問題は深刻化していないため預けやすく、女性が仕事しやすい環境なのである。


 男女の労働時間は2.29時間の差しかないベトナムだが、家事負担は男女格差が存在していると言われている。元々儒教の影響を強く受け、女性が果たすべきと期待される役割が家の中に存在するからだ。


 キャリアを築き、社会で活躍するベトナム人女性にとって、家事負担を減らす合理的なサービスは受け入れやすいだろう。子どもの送迎、家事代行、スマート家電などのサービスが日本以上に急速に普及する潜在性を秘めている。


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    執筆者プロフィール
    今村信人

    INTAGE VIETNAM Director。国内外にてブランド構築支援業務を経験後、2007年ベトナムに赴任。2022年10月より現職。リサーチを中心に日系企業のマーケティング支援業務に従事。経営学修士。専門はセグメンテーション、ブランドマネジメント。ベトナム駐在員のその他コラムはこちら

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