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【タイ】企業が広告に新世代ラッパーを続々起用/若者を中心にラップが大ブーム

タイ人ラッパーによるラップが10代から20代の若者を中心に人気を集める中、各業界ではラッパーを広告へ起用する動きが目立っている。SEIKOのストリートスタイルの腕時計「Seiko Prospex Street Series」では、若手人気ラッパー「YOUNGOHM(ヤンオーム)」が2018年12月にリリースした「Doo White」とコラボ。同曲のMVでは、SEIKOがスポンサーとなり、ヤンオームが腕時計を身に着けて出演する。腕時計は、若者に人気のセレクトショップ「Upper Ground」などで販売している。タイでは、ラップブームと並行して、ストリートファッションが人気で、新世代ラッパーはファッションのお手本である。若者たちは、「Supreme」や「Off White」、「BAPE」などのファッションブランドや、話題の限定販売スニーカーに夢中になり、テレビ番組に登場するラッパーが来ている服やスニーカーも毎回注目を集めている。
このほか、シンガポール大手銀行「UOB」が、若者をターゲットに開発したデジタルバンキングシステム「TMRW」でも、広告に複数の人気ラッパーを起用し同名のMVを発表。また、タイの大物ラッパー「F. HERO」は、ペプシタイランドによる各部門のミュージシャンを招いた広告に登場している。

テレビ番組をきっかけにラップブームが再燃わかりやすい内容のラップが人気の理由

タイでは90年代半ばからタイ人ラッパーが登場し、2012年に素人ラッパーによるラップバトル「Rap is Now」がスタートしたが、支持したのは一部だった。しかし、ここ数年のラップブームは、2017年から放映されたラップバトル番組「The Rapper」と、韓国発ラップバトル番組のタイ版「Show Me The Money Thailand」がきっかけと見られている。番組出場からラッパー活動を本格的に始め、ヒット曲を出しているラッパーも多い。
タイで人気の音楽ストリーミング「JOOX」による週間人気ソングランキングでは、K-POPやタイPOPに並び、タイのラップが継続的にランキングしている。ヤンオームのほか、新世代の注目ラッパーは、YouTubeに新曲を発表後、数か月から1年の間に数百万から数億回の再生回数を獲得している。ラップでありながらラブソングが多く、若者に分かりやすい内容が人気の理由だ。ラッパー同士のコラボのほか、ラッパーとポップ歌手とのコラボ曲も人気だ。また、2018年10月リリースの軍政批判ラップ「Rap Against Dictatorship(RAD)」は、国外からも注目を集めた。

本記事はTNCライフスタイル・リサーチャー(http://lifestyle.tenace.co.jp/ )とインテージのグローバル・リサーチャーの共同執筆記事です。


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