【中国】高齢者がスマホで気軽に利用できる共済アプリ「老年版相互宝」が登場
開設後3時間で11万人が登録 アリババ傘下の高齢者向け共済アプリ
高齢者人口が急増する一方で、高齢者向けのサービスが中国ではまだまだ少ないというのが現状。そんな中、ビジネスチャンスを見つけた企業もある。2019年5月に、利用者数8,000万人を超えたアリババ傘下の共済アプリ「相互宝」が、高齢者向けの「老年版相互宝」をリリース。開設後わずか3時間で11万人が登録したことで話題になった。「老年版相互宝」は60〜70歳が無料で利用できるアプリ。各登録者の負担金額は1元以内で、がんなどの入院、手術の際に5〜10万元(約76万〜150万円)を受け取ることができる。受け取れるのは悪性腫瘍のみで、事故やケガは対象外だ。子供が親のために登録することもできる。スマホ上で簡単に登録でき、共済金の流れなどに透明性があり、誰もが閲覧できるのが人気の理由だ。
上述の通り、中国では急激な高齢化が進んでいる。特に上海は平均寿命が近年急激に伸びており(81.3歳)、日本に次ぐ世界第二位になっている。だが、高齢者向けの保険を販売している会社は非常に少なく、審査にも通りにくく、保険料が高いことが問題になっていた。そんななか、生後1ヶ月から59歳まで登録できる「相互宝」が人気となり(利用者数8,000万人)、60歳以上が使えるものをリリースしてほしいという声が高まった。
本記事はTNCライフスタイル・リサーチャー(http://lifestyle.tenace.co.jp/ )とインテージのグローバル・リサーチャーの共同執筆記事です。
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執筆者プロフィール
TNCアジアトレンドラボ
株式会社TNCが運営する、アジアのトレンドを研究・発信する情報機関。現地の生活者の暮らしや生活習慣に根ざしたトレンドからインサイトを見出し、企業のマーケティング活動の支援を行っています。
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編集者プロフィール
ヤン・イェン
日本在住の中国人リサーチャー、中国をメインに海外消費者生活実態を発信。
- 2020/03/02
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