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【インドネシア】市民情報集約アプリ「Qlue」を使って進むスマートシティ化

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人気アプリ「Qlue」は、スマートフォンを通じて、洪水や渋滞情報、ゴミの不法投棄や交通違反など、居住エリアの問題をAIやIotのテクノロジーを利用して情報収集、共有できるアプリだ。現在、20以上の地域で、75万人以上が登録している。ユーザーは、写真を利用してレポートを作成、政府の対応への評価も共有できる。アプリ内でユーザー間や自治体とのチャットも可能。2019年には前年より8%も多い11万件以上のレポートが作成された。その結果、政府のオペレーショナル費用の50%削減にもつながっている。
Qlueは、CEOのRama氏が政府の協力のもと、スマートシティを目指して2014年に立ち上げた(運営会社はPT.QlueperformaIndonesia)。Rama氏はスマートシティをサポートするシステム開発を手掛けるマーケットリーダーであり、現在のクライアントは、55%が政府機関、45%が民間機関。2019年「ASEANRiceBowlStartupAwards」のベストIotスタートアップ企業を受賞した。

登録者が一時減少その後増加に転じた理由とは

国民の声を聞く手段として立ち上がったQlueだが、ジャカルタの知事が交代した時には利用者が減った。知事への信頼と比例して減少したが、2018年頃から市民の苦情が、Qlueを通して受け入れられていることがわかってから、再び徐々に利用者が増えていった。そのほか、CCTVに搭載されたIotの自動信号システムの導入やセンサーシステム、コンピュータ音声による違法駐車の防止など、新しいシステムが導入された事もユーザーの増加にもつながっている。2020年年明けに起こった洪水被害は、ジャカルタだけではなくインドネシア各地で大きな被害をもたらしたが、Qlueに多くの情報が寄せられ、マッピングされたことで、危険情報も共有でき、ユーザーの周知も広がった。

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