【海外生活者データGlobal Viewer】訪日観光客の日本での消費
海外から日本を訪れる訪日外国人の数は、令和6年度実績で3600万人を突破。コロナ前を上回り過去最高を記録した。
国別にみてみると、これまで通り東アジアからの訪日客が多く、中国、韓国、台湾が上位を占めている。
東アジア各国の中で、最も訪日意向が高いのは?
図①今後一年以内の訪日意向(ベース:各国18-64歳男女)
(出典:インテージGlobal Viewer(2024年))
各国の訪日客が、日本で買いたいものとは?
日本を訪れたいと考えている東アジア各国の人たちは日本でどのような消費行動を期待しているのだろうか?
かつては、中国訪日客の”爆買い”により、多くの化粧品や日用品、菓子が購入されていた過去があるが、今現在ではどのようなニーズが存在しているのか?
図②訪日意向者の日本で購入したいもの(ベース:各国訪日意向者)
(出典:インテージGlobal Viewer(2024年))
各国において、求めるものに違いがみられているが、特に、台湾訪日客の「食品」「医薬品、日用品」に対してのニーズの高さが浮き彫りになった。
特に、サプリメントなどの健康補助食品や目薬、風邪薬、漢方薬などのいわゆるドラッグストアで気軽に購入できる第3類医薬品に人気が集中している。
台湾の人々は健康意識が高く、予防医療や健康食品による様々な取り組みが日常的に行われている国の一つである。
※台湾はNumbeoによる「Health Care Index by Country 2025(国別ヘルスケア指標2025)」において、堂々の1位である。
https://www.numbeo.com/health-care/rankings_by_country.jsp
こうした健康意識の高さを背景に、日本での「医薬品、日用品」への消費ニーズが広がっていると考える。
台湾の訪日客が日本で医薬品・日用品を買う理由
では、台湾の訪日観光客は、日本の”医薬品、日用品に何を求めるのか?
図③医薬品・日用品の購入理由(ベース:医薬品・日用品の購入意向がある人)
(出典:インテージGlobal Viewer(2024年))
品質の良さは当然のこととして、「日本のブランド」というお墨付きが台湾訪日客には重要な要素のようである。
また、「自国で話題になっている・人気がある」ということも理由として挙がっており、”日本のブランドが現地で話題になり、更なる消費を刺激する”という好循環につながっていることがうかがえる。
今後も健康意識の高さから拡大が予想される台湾のサプリメント市場。
インバウンドをきっかけに”日本発の健康食品”が現地で広がっていくビジネスチャンスの可能性はありそうだ。
Global Viewerとは
インテージがストックする11ヵ国(アジア・US)の生活者の様々な実態・意識に関するアンケートデータを用いて、ご課題に応じたレポートをご提供するサービス。
カバーしている項目は、各種商品・サービスカテゴリー(※)に関する行動実態・意識、価値観・情報接触など400項目に及ぶ。
※カテゴリー例:
食品・飲料、パーソナルケア・化粧品、ハウスホールドケア、育児・介護、モビリティ、家電、スマートホーム、住宅、エンタメコンテンツ(ゲーム・音楽等)、金融、保険、旅行(訪日)、オンラインサービス 等
本記事でご紹介したような国別比較分析のほか、1か国における属性別分析(性年代・収入等)なども可能。
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執筆者プロフィール
高橋 謙一郎
モビリティ業界のグローバルリサーチに数多く従事したのち、2023年より海外事業推進、グローバルリサーチサービスの整備、新ソリューション開発に取り組んでいる。
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編集者プロフィール
高浜 理沙
Global Market Surferのサイト作りを担当。
主に日系の消費財メーカー企業の海外マーケティング・リサーチ支援に従事したのち、現在は日系企業の海外マーケティング・リサーチのためのソリューション開発や、セミナー等の対外発信を行う。
- 2025/02/12
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