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ASEANにおける自由時間の使い方:インドネシアの人々が自由時間にしていることとは?

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日本の現役世代(20~50代)は仕事、育児、介護等さまざまな事情によって自由に使える時間がないと感じることが多いようだが、ASEAN各国の現役世代ではどうだろうか。また、彼らは自由時間をどのように過ごしているのだろうか。
本記事では、ASEANの中でも特に自由時間が多い傾向にあるインドネシアに着目し、自由時間の使い方について、インテージが保有する海外生活者データGlobal Viewer(2024年実施)を用いて解説する。

ASEANの現役世代の中で、自由時間が多いのはどの国か?

ASEAN4カ国(シンガポール、インドネシア、タイ、ベトナム)の20~50代に、平日の自由時間がどの程度あるか聞いたところ、インドネシアの4割強が「6時間以上」との回答で、2位以降のベトナムやフィリピンよりもここの割合が10pt以上も高く、より自由時間が多いことが分かる。

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図① 平日における自由時間(ベース:各国20~59歳男女)
(出典:インテージGlobal Viewer(2024年))

インドネシアの人々は、平日の自由時間をどのように使っているのか?

他のASEAN各国と比較すると、インドネシアでは相対的に「SNS」や「音楽を聴く」に費やす人が多い一方で、「テレビやビデオ」が他国よりも低い。インドネシアでは家族や友人との繋がりを大切にする社交的な文化があると言われているのと、音楽も宗教的・文化的イベントで欠かせない存在であるなど生活の中に根付いていることから、これらが上位に来ていると考えられる。

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図② 平日の自由時間の使い方(ベース:各国20~59歳男女)(インドネシアの上位5項目を抜粋)
(出典:インテージGlobal Viewer(2024年))

インドネシアの人々はどのようなSNSにどれくらい時間を費やしている?

平日の自由時間の使い方として「SNS」がトップであったが、ではどのようなSNSを使っているのだろうか。インドネシアでは「WhatsApp」が最も浸透しているSNSであるが、メッセージング機能の側面が強いため本調査ではSNSとして聴取していない。それ以外のメジャーなSNSに限定して分析すると「YouTube」の利用率が98.9%と圧倒的に高く、1日における利用時間も平均1.4時間と長い。1日の利用時間が平均1.1時間と2番目に長いTikTokは利用していない層が一定数いるが、利用者の中では他のSNSより利用時間が長く、利用者の約半数は1日に1時間以上利用している。TikTokのコンテンツはYouTubeと比較して短い動画が多いが、数多くのコンテンツを比較的長い時間をかけて見ていることが推測できる。

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※平均利用時間で降順ソート

図③ SNS別1日当たり利用時間(ベース:インドネシア 20~59歳男女)
各SNS利用者のサンプル数は以下の通り:
YouTube n=6,724、TikTok n=5,209、Instagram n=6,275、Facebook n=5,871、X(Twitter) n=4,387

(出典:インテージGlobal Viewer(2024年))

このように国によって可処分時間の傾向は異なり、その時間の使い方もさまざまだ。
海外のマーケティング活動で各国生活者とのタッチポイントを検討する際も、このような情報を参考にしながら、最適化していくのが望ましい。

Global Viewerとは

インテージがストックする11カ国(アジア・US)の生活者の様々な実態・意識に関するアンケートデータを用いて、ご課題に応じたレポートをご提供するサービス。
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  • Intage Inc

    執筆者プロフィール
    高橋 秀将

    日系のFMCG・DCGメーカーの海外マーケティング・リサーチ支援を幅広く従事したのち、2021年より現職にて、海外事業推進、グローバルリサーチサービスの企画・整備に取り組んでいる。

  • Intage Inc

    編集者プロフィール
    高浜 理沙

    日系のFMCGメーカー(化粧品、ベビー用品、食品・飲料等)のアジア・欧米でのマーケティング・リサーチ支援に従事したのち、2019年より現職にて、日系企業の海外マーケティング・リサーチのためのソリューション開発や、セミナー等の対外発信を行う。
    子どもが生まれてからは、家族と自身の心身の健康をいかに保つかが最大の関心事で、様々なグッズ・サービスを試している。

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