【US】お父さん専用冷蔵庫?アメリカならではの冷蔵庫の使い方とは
- 公開日:2025/08/05
- 更新日:2025/08/05
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私たちの日常生活において必需品である冷蔵庫。アメリカにおいても、冷蔵庫の世帯保有率は9割を超えています。
アメリカの世帯では、冷蔵庫をどのように活用しているのでしょうか。日本との違いは見られるのでしょうか。
本記事では、インテージの海外生活者ビジュアルデータベース「Consumer Life Panorama(通称:CLP)」に搭載されている実際の生活者宅の写真から、冷蔵庫の中身や置き場所等に着目し、彼らの活用例について解説します。
アメリカにおける冷蔵庫の世帯保有率は9割を超える
(出典: インテージ 調査レポート「アメリカ生活者の住まいから見える価値観」(2023年6月30日発行))
冷蔵庫にぴったり合うキッチン戸棚
アメリカの戸建住宅は一般的に日本と比べてサイズが大きく(東京の約2.7倍)、家全体の空間を広く開放的に設計する傾向があります。また新築住宅に関しては厳しい規制があるため、中古住宅が市場の約8割を占めると言われています。そのためキッチンのリフォームやDIYをする世帯が多く見られます。各家庭(主にお母さん)のニーズや好みに合わせてキッチンの全体レイアウトや戸棚などのデザインをカスタマイズし、冷蔵庫を置くスペースも設けます。他にも、コンロ・オーブン・食洗器・電子レンジといった家電はあらかじめ設置スペースを設け、ビルトインタイプのものをはめ込むケースが多いです。
飲み物専用冷蔵庫?
CLPの写真を確認すると、キッチンに置かれた1台のほかに、ガレージや地下にも1台、といったように2台保有している家庭も見受けられます。
その場合、キッチンの冷蔵庫は普段使いで、もう1台はアルコールや冷凍食品など専用の使い方をしていることが多いようです。2台目の用途は、「地下に置いて、お父さんがアメフトを見ながら楽しむお酒を入れる」「ガレージに置いて、まとめ買いした冷凍食品やストック食材を入れておく」など、使用する人や目的に応じてさまざまなようです。
(写真)飲料専用として活用している例
出典:インテージConsumer Life Panorama
冷蔵庫内の中身は?
冷蔵庫内の使い方には、どのような傾向があるのでしょうか。CLPの写真から見える特徴として、まず目につくのが大きなサイズの調味料や飲料などのボトルです。日本と比べるとかなり大きなものが多く、冷蔵庫のスペースを占めています。
これらのボトルの置き場所として、ドアポケットに収納しているケースもありますが、それだけでは足りないのか、中央のメインスペースにもボトルを立てて置く家庭が多いようです。そのためデッドスペースが生じたり、品物の出し入れがスムーズに行かなかったりする可能性があると推測されます。
(写真)ドアポケットに置かれた調味料と飲料。サイズが日本と比べて大きそうである。
出典:インテージConsumer Life Panorama
(写真)メインスペースに立てて置かれた飲料類
出典:インテージConsumer Life Panorama
アメリカで売られている食品(特に調味料や飲料などのボトルに入ったもの)はサイズが大きいため、冷蔵庫の収納棚を細かく分けるよりも、ある程度の広く自由に使えるスペースが確保されている方が活用の汎用性が出るのかもしれません。
終わりに
アメリカの家庭においてメインとなるキッチンにある冷蔵庫には、生鮮食品よりも飲料・調味料や加工食品を多く収納しているケースが多い傾向が見られました。国により、冷蔵庫によく入れる食材やそのパッケージの大きさ、活用用途が異なることが垣間見えたのではないかと思います。
本コラムがアメリカの生活者を理解する一助になれば幸いです。
参考記事:アメリカ生活者の住まいから見える価値観(バーチャルホームツアー)
Consumer Life Panoramaとは
世界18カ国1,000名以上の生活者のビジュアルデータを蓄積した、ウェブサイト型データベース。住環境を閲覧できる3Dモデルや、各生活者の保有アイテムを撮影した2Dデータが多く搭載されており、文字や数字だけでは把握しづらい海外生活者理解に役立つ。
詳細はこちら
本コラムで引用したようなビジュアルデータを用いて、
・海外生活者の属性別の違いを比較する
・カテゴリーの使用実態をリアルに把握する
・ターゲット生活者のライフスタイル全体を理解する
等、「現地に行かない」ホームビジット調査として活用が可能。
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執筆者プロフィール
横谷尭宏
日系・外資系問わず大手FMCG・DCGメーカー(食品、飲料・アルコール、雑貨・化粧品等)のマーケティング・リサーチ支援に従事。
「既婚男性の家事」の調査結果を自社サイトに公開するなど対外発信を行っている。 -
編集者プロフィール
高浜 理沙
日系のFMCGメーカー(化粧品、ベビー用品、食品・飲料等)のアジア・欧米でのマーケティング・リサーチ支援に従事したのち、2019年より現職にて、日系企業の海外マーケティング・リサーチのためのソリューション開発や、セミナー等の対外発信を行う。
子どもが生まれてからは、家族と自身の心身の健康をいかに保つかが最大の関心事で、様々なグッズ・サービスを試している。