【中国】茶飲店併設のベーカリーで生まれた手も口も汚れるパン「脏脏包」が人気
- 公開日:2019/11/05
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三大人気茶飲店が店舗にベーカリーを併設売り出したパンが大人気に
チーズティー、フルーツティー、黒糖ミルクなどを販売する「茶飲店」は2017年頃から急増し、2019年現在も人気店が多く登場している。そんな中、2018年頃から上海市内の三大行列茶飲店「喜茶」、「奈雪の茶」、「楽楽茶」が店舗内にベーカリーを併設した。もともと人気だった「臟茶(脏脏茶)(きたないミルクティーの意味)」のパン版「脏脏包(きたないパン)」を売り出し、社会現象となるほどの人気となった。外側にチョコレートパウダーやココアパウダーが振りかけてあり、見た目が汚く、食べると手や口の周りが汚れるのが名前の由来。ふわふわの食感で甘いことが特徴だ。値段は20元(約315円)前後。茶飲店だけでなく、ケンタッキーなどの外資チェーンもこのパンを使った限定サンドを販売した。
童心に返る、ストレス解消、「脏脏包」が人気の理由はさまざま
流行の背景にははっきりしたものはない。「食べるときに手や口が汚れるので童心に戻れる」、「ストレス解消になる」、「一周回ったSNS映えフード(きれいでもかわいくもないところが新鮮)」、「上海で台頭しつつある欧米系本格ベーカリーにはない、甘くてやわらかいパンが中国人の口にあった」など、ネット上で心理学の教授、経済評論家などがさまざまな意見を述べている。
茶飲店にベーカリーが併設されるようになった理由は、カフェの発想と同じとみられる。上海では、タピオカミルクティー、チーズティーなどがコーヒーのように、生活に深く浸透している一方で、カフェのようにパンなどの軽食を食べられる茶飲店は2018年より前はほとんどなかった。ベーカリー併設の茶飲店が今後も流行するかは未知数だ。
本記事はTNCライフスタイル・リサーチャー(http://lifestyle.tenace.co.jp/ )とインテージのグローバル・リサーチャーの共同執筆記事です。
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TNCアジアトレンドラボ
株式会社TNCが運営する、アジアのトレンドを研究・発信する情報機関。現地の生活者の暮らしや生活習慣に根ざしたトレンドからインサイトを見出し、企業のマーケティング活動の支援を行っています。 http://tnc-trend.jp/
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