
1.はじめに
インドのノンアルコールRTD飲料(RTD:すぐに飲める飲料)は、都市部20代の「集まり」「外食」「気分転換」といった体験ニーズと結びつき、拡大の兆しを見せています。本記事では、インテージが保有する海外生活者データ「Global Viewer(2025年)」の示唆と現地報道・ブランド事例を掛け合わせ、誰が・いつ・なぜ飲むのかを読み解き、参入時のポイントを整理します。
2.データから見るインドのノンアルコールRTD飲料状況
インテージが保有する海外生活者データ「Global Viewer(2025年実施)」によると、インドは「月1回以上、何らかのノンアルコール飲料を飲む」推定人口が多く(図1)、ノンアルコールRTD(モクテルなど)の選好度が高く出ました(図2)。

※インテージGlobal Viewer(2025年)にてノンアルビール、ノンアルワイン、ノンアルスパークリングワイン、ノンアルコールRTD(ノンアルコールカクテルなど)に対して、月1以上飲むと回答した人の数を国ごとの全体回答者数で割ったその割合を各国人口に掛けて出した推計値です。
※農村部/都市部の区別なく同じ浸透率として人口にかけているのであくまで比較のための参考値です。
図1:ノンアルコール飲用者数の推計
出典:インテージGlobal Viewer(2025年)

※インテージGlobal Viewer(2025年)にてなんらかのノンアルコール飲料を月1以上で飲用していると回答した人の回答内訳。
図2:インドにおけるノンアルコール飲用の内訳
出典:インテージGlobal Viewer(2025年)
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現地ではノンアルコール飲料市場の盛り上がりは、どのように報じられているのでしょうか?
Times of Indiaによると、インドでは“自然素材(フルーツ/ハーブ/スパイス等)”を使ったRTDモクテル/パンチが参入し、ポストコロナでハウスパーティが増え「コーラ以外の選択肢」「バーテンダー不要の選択肢」として選ばれやすいといいます。
さらに同記事は、インドのRTDジュース/モクテル/ノンアルコール飲料市場に200以上のプレイヤーがいるとも報じています。(出典URL:Times of India, 2024/5/4)
またFortune Indiaによると、都市部レストランでゼロプルーフ(0%)カクテルが「甘いだけのモクテル」から、技法(抽出/インフュージョン等)やストーリー性を伴うクラフトとしてメニュー化されているといいます。(出典URL:Fortune India, 2025/11/2)
これらの現地情報からも、インドでノンアルコールRTD飲料の需要が見えてきていると言えそうです。
3.インドでのノンアルコール飲料の需要
では、インドでは誰がノンアルコール飲料を飲んでいるのでしょうか?
インテージが保有する海外生活者データ「Global Viewer(2025年実施)」によると、月1以上で飲用しているユーザーのボリュームゾーンは男女20代・都市部在住です(図3、図4)。

※インテージGlobal Viewer(2025年)にて、なんらかのノンアルコール飲料を月1以上で飲用していると回答した人の年代内訳。
図3:インドにおけるノンアルコール飲料を月1以上で飲用する年代の内訳
出典:インテージGlobal Viewer(2025年)

※インテージGlobal Viewer(2025年)にて、なんらかのノンアルコール飲料を月1以上で飲用していると回答した人の居住地内訳。
図4:インドにおけるノンアルコール飲料を月1以上で飲用する者の居住地
出典:インテージGlobal Viewer(2025年)
これら都市部在住の男女20代がどのようなシーンでノンアルコール飲料を求めているのか、インドのノンアルコールブランドの訴求から生活シーンを逆算してみましょう。
インド発モクテルブランドのSwizzleは公式サイトで「100% natural」「vegan」「化学添加物なし」を前面に出しています(出典URL:Swizzle公式)。また同ブランドは ET HospitalityWorld(The Economic Timesのホスピタリティ領域メディア)によると、クイックコマース・量販・自販機・HoReCa(Hotel+ Restaurant+ Café / Catering)へ拡大する計画が報じられています(出典URL:ET Hospitality, 2025/12/17)。
ここから都市部20代が「罪悪感が少ない炭酸モクテルを、仕事帰り/週末の集まり前に近場で選ぶ」導線が想像できるのではないでしょうか。
一方「祝いの場」での文脈では、同じくインドRTDモクテルブランドPEEYOが「Think Party? Drink PEEYO」「Embrace the buzz」(出典URL:PEEYO公式)などパーティ好きな若年層の体験を作る訴求も見られ、友人との集まりで「乾杯の見栄え」「パーティ感」をノンアルで作る用途が想像できます。
4.まとめ
ここまでをインテージが保有する海外生活者データ「Global Viewer(2025年実施)」と現地報道・ブランド事例を重ねると、インドのノンアルコールRTD飲料の需要は「アルコールの代替」としてよりも、都市部20代の体験と紐づいた「価値のあるソフトドリンク」として伸びる可能性が高いといえそうです。
参入を検討する際には、以下の3点がポイントとなるのではないでしょうか。
(1)カクテルのアルコール抜き、ではなく“香り・ハーブ/スパイス”まで含めて飲用場面での体験設計をする。
(2) 都市生活導線=即配・小容量・アソート/箱買いを初期から組み込む 。
(3)外食・イベントで体験を作り、家庭へ波及させる(ゼロプルーフ=体験価値の重視)。
特に、日本のノンアルコールの「飲めない事情があるときの代替品」「本来のお酒の味を再現」といったイメージとは異なり、インドではノンアルコールRTDが持つ固有の体験価値に留意する必要がありそうです。



