【タイ】ロックダウンで新たな趣味を見つけた人々/健康的で映えることがポイント
自宅で居心地よく過ごしたい 調理と観葉植物へ目が向いた人々
タイでは2020年3月より国内の感染者数が増加し、商業施設やオフィス、学校が閉鎖となるロックダウンが2か月ほど続いた。オフィスの閉鎖に伴い、在宅ワークへ移行した会社員やオンライン授業となった学生の多くは、自宅で過ごす時間が増え空き時間が大幅に増え、自宅で趣味や好きなことをするようになった。
その中でも、注目を集めているアクティビティが「調理(ทำอาการ)」である。以前は外食や中食で食事を済ませていたため自炊をする習慣がなかった人が調理を始めるようになった。特に「エアフライヤー(หม้อทอดไร้น้ำมัน)」が健康的で手軽に調理ができると話題を集めた。このほか、自宅をより居心地よい場所にしようと、家具や雑貨のほか、「観葉植物(ต้นไท้ฟอกอากาศ)」が人気となっている。
2020年7月以降は、自宅時間は減ったものの、新しい経験をきっかけに、若い人の趣味の一つとして定着する可能性がある。
日々の移動時間がロックダウンで自由時間に
タイの首都バンコクでは、通勤や通学ラッシュ時には交通渋滞により日々数時間を移動に要する。ロックダウン中は、毎日移動に費やしていた時間が自由時間となり、交通渋滞のストレスからも解放された。自宅で過ごす時間をより快適なものにしたい、特にマンションのように居住スペースが限られている場合には、より居心地のよいスペースのしたいと感じるようになった。このため、「エアフライヤー」や「観葉植物」のように限られたスペースでも楽しめ、且つ健康的で手軽に取り組めるアイテムがヒットしたとみられる。
「エアフライヤー」で調理をする人たちが集まるFacebookプライベートグループでは、今でもエアフライヤーで料理に初挑戦してみる人の投稿や、互いの一品を見せ合う投稿などが活発にやり取りされている。
健康とSNS映えし、限られたスペースでも楽しめるアクティビティは、若い世代のNew Normalな生活に合っているようだ。
本記事はTNCライフスタイル・リサーチャー(http://lifestyle.tenace.co.jp/ )とインテージのグローバル・リサーチャーの共同執筆記事です。
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TNCアジアトレンドラボ
株式会社TNCが運営する、アジアのトレンドを研究・発信する情報機関。現地の生活者の暮らしや生活習慣に根ざしたトレンドからインサイトを見出し、企業のマーケティング活動の支援を行っています。
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インテージ
- 2021/04/05
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