<駐在員コラム>【アメリカ】コロナ下で成長する、アメリカの新しい小売業・飲食業のビジネスモデルとは
- 公開日:2021/05/18
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はじめに
アメリカは、コロナパンデミックが始まって以来、世界で最も感染者数が多い国となり、社会的にも経済的にも大きな影響を受けることとなりました。特に、州別に実施されたロックダウンによるビジネス環境へのインパクトは大きく、多くの会社やそこで働く従業員がコロナ前とは違う形での業務スタイルを模索し続けることとなっています。今回はその中でも最も消費者に近く、かつロックダウンによる影響をダイレクトに受けた業態である、小売業・飲食業に注目して、コロナの影響により変わるアメリカの最新事情と、これからの新しいビジネスモデルの方向性を示しているであろう具体的なサービスの実例をいくつかご紹介します。
※なお、取材先はすべて筆者が居住しているカルフォルニア州ロサンゼルス周辺となります。
アメリカ人の「平均的な暮らし」を詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご確認ください。
“平均アメリカ人”はどんな生活?多様化するアメリカ消費者の「平均」を知ろう
・個を重視するアメリカ
・合理性・効率化を求めるアメリカ
・耐久財に対する価値観
など

1.Amazon Fresh コンタクトレスショッピング形式のスーパーマーケット

従業員の感染対策を考慮すると、店舗内で働くスタッフ数は少ない方がよく、買い物客にとっても、従業員との接触が極限まで抑えられたコンタクトレスショッピング方式は感染のリスクも少なくなる。また、店舗の広さに応じた買い物客数の入場制限を考えると、大型店舗の方が有利という点もあります。もちろんコロナとは別の視点でみても、Amazon社のECと実店舗での購入をミックスさせていく経営戦略の一環として、 Amazon Freshのビジネスモデルを拡大していきたい意図があるはずです。
※Amazon社は2017年にWholeFoodsスーパーマーケットを買収

(出典:Amazon Press Center)

(出典:Amazon Press Center)

(出典:Amazon Press Center)
最後にチェックアウトレーンでカートを返却します。(ここでは人間による購入手続き完了の最終チェックあり)
2.Order pickup専門のファストフード店舗

店舗写真 (写真:筆者撮影)
写真だとわかりづらいとは思いますが、この店舗は、店内に接客・飲食スペースがありません。顧客は、基本的に購入した商品を持ち帰る前提のため、どうしてもこの場で食べたい人のために屋外にテーブルがいくつか設置してあるだけです。
あらかじめオンラインで注文・決済を行えば、あとはMobile Pickupカウンターに行って商品を受け取るだけなので簡単・早く、とてもファストフード向けの形態だと思います。
3.Patio Diningレストランの屋外飲食の拡大

(写真:筆者撮影)
写真のように、コロナ前では法律的に営業許可が出なかった店舗前の道路スペースを利用して、Patio Diningスタイルの飲食スペースを店外に設置するレストランが今急速に増えています。
4.個人型店舗レス飲食店の誕生と、それを支えるVenmoなど個人間決済型電子マネーサービスの伸長

公式Facebookページから引用
コロナの影響が続く中、従来のようにレストランを新しく起業・オープンすることは難しい状況にあります。その中で出てきた新しい業態として、店舗を持たずに、個人が自宅やゴーストキッチンなどを利用して、オーダーピックアップやデリバリーに特化したレストランビジネスをスタートするケースが増えてきています。
例えば、自宅のキッチンでケーキやドーナッツを作ってオンライン販売する、何人かで投資しあって巨大なBBQピットを購入しケータリング専門の会社を立ち上げるなどです。
このような新しい形態のレストランを支えるオンライン決済システムとして、従来はPaypalなどの電子決済サービスが主流でしたが、今アメリカの若者の間ではVenmoに代表される個人間電子決済サービスの利用が急速に増えてきています。
もともとVenmoは友人同士での割り勘利用などでユーザーを増やしてきましたが、ユーザー数が5千万人を超えた現在、紹介したような個人ビジネスにおける、より手数料が安く・仕組みが容易な決済方法として徐々に浸透してきています。
おわりに
ここまでに紹介した、コロナ下において成長している新しいビジネスモデルは、今後コロナが終息しても業態としてはさらに拡大していくと予測しています。経営的視点でみても、従業員数を削減し、店舗のスペースを縮小し、キャッシュレス決済をシステム化していくような効率化の仕組みは、利益最大化という意味で理にかなっているためです。今後も、アメリカ現地における新しいサービスの兆しを取材し、みなさまに紹介してきたいと思います。
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執筆者プロフィール
砂塚 雅司(すなずか まさし)
アメリカ・ロサンゼルス在住のリサーチャー。次々と新しいモノ・サービス・トレンドが生まれるアメリカのチャレンジ精神と多様性に驚き戸惑いつつも、自分も常に好奇心を持って体験し、日本人の視点からみたアメリカの今のリアルな情報を発信しています。
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編集者プロフィール
高浜 理沙(たかはま りさ)
Global Market Surfer運営担当。コロナ禍で生鮮食品デリバリーのサービスを使い始め、便利さを実感。野菜だけは近所の直売所で購入している。