【中国:地球の暮らし方】プライバシーと収納の考え方
- 公開日:2021/05/31
- 更新日:2025/09/08
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玄関に対する考え方の発展
日本では、家に入ると最初は玄関というのが一般的な常識である。しかも、プライバシーを守るという観点で、玄関からは家の中を直接見えないようにレイアウトを設計していることが多い。それに対し、中国では、玄関がない部屋も数多く存在する。また、玄関があるとしてもほかの空間とはっきり区別しない場合もある。その結果、玄関もしくはドアから直接室内が見える。日本の玄関(左)と中国の玄関(右) (出典:生活者データベース(Consumer Life Panorama))
Consumer Life Panoramaとは
世界18カ国1,000名以上の生活者のビジュアルデータを蓄積した、ウェブサイト型データベース。住環境を閲覧できる3Dモデルや、各生活者の保有アイテムを撮影した2Dデータが多く搭載されており、文字や数字だけでは把握しづらい海外生活者の理解に役立つ。
本コラムで引用したようなビジュアルデータを用いて、
・海外生活者の属性別の違いを比較する
・カテゴリーの使用実態をリアルに把握する
・ターゲット生活者のライフスタイル全体を理解する
等、「現地に行かない」ホームビジット調査として活用が可能。
隠す収納と隠さない収納
中国人が日本の家庭に抱くイメージの一つとして、収納が上手というのがある。日本では、ウォークインクローゼット、シューズインクローゼット、納戸等いろんな収納スペースが最初から設計されている。それに対して、中国では最初からそういったスペースを設計する意識がまだ薄い。また、収納に関する違いは掃除機の置き方一つとっても表れる。収納される日本家庭の掃除機(左)と直置きする中国家庭の掃除機(右)
(出典:生活者データベース(Consumer Life Panorama))
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執筆者プロフィール
ヤン イェン
日本在住の中国人リサーチャー、中国をメインに海外消費者生活実態を発信。断捨離ができない性格なのでいつも収納スペースに悩んでいる。
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編集者プロフィール
辰田 悠輔(たつだ ゆうすけ)
Global Market Surferのサイトづくりを担当。日本のクライアントは海外宅をホームビジットする際によく海外には玄関という概念がないのですねと驚かれる。生活空間である家にはその国が本当によく表れると思う。