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【台湾】伝統漢方スイーツのモダナイズ!若い世代にも人気カラフルな「粉粿」に注目

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「粉粿」を現代風にアレンジした店舗が人気
南部では一年を通して楽しむことができる

台湾では一年中、屋台や「冰店」と呼ばれる冷菓を扱うお店で、かき氷や豆花等が売られているが、その中に入っている伝統的な具材が「粉粿(hún-kué) 」である。タピオカパール同様、そのもの自体に味はないため、蜂蜜や黒糖の蜜などをかけて食べるのが一般的。伝統的な色はクチナシの鮮やかな黄色だが、最近はカラフルに色付けされたものがあり、SNSで人気となっている。台中や台北にもカラフルな「粉粿」が味わえるお店はあるが、一年中は提供していないところもある。一方、南部では一年を通じて気温が高く、暑い日が多いため、一年中かき氷を味わうことができる。
高雄でカラフルな粉粿が味わえる「麻吉豆花冰果室」は、祖母と父の40数年の技を受け継ぎ、豆花から具や蜜に至るまで全て手作りにこだわっている。五色の粉粿はクチナシや黒糖、紅麹、タロイモ、抹茶で手作りしたもので、ほんのりと素材の味がする。豆花と粉粿の「五彩粉粿豆花(60元/約270円)」やかき氷に粉粿が入った「綜合五彩粉粿冰(50元/約225円)」が人気商品。
高雄市内中心部から北東部の標高87メートルに位置する地域「旗山」は、バスで1時間ほどの距離になり、「旗山阿嬤的味 古早味挫冰」の人気の「粉粿」を求めて多くの人が訪れる。旗山は、バナナなどの農産物が有名な地域で、自家農園で栽培したグアバ(ピンク)とバラフライピー(青)を使った「粉粿」のほか、ドラゴンフルーツ(赤)、黒糖、クチナシの五色がある。数種類の粉粿が味わえる「粉粿冰」は50元(約225円)で販売されている。

「粉粿」は、サツマイモの粉もしくはキャッサバ粉(に片栗粉を加えることもある)で作られた台湾の伝統的なスイーツで、日本のわらび餅のようだが弾力がある。漢方薬に属するクチナシが入っており、体内の熱を下げるため台湾では、粉粿は暑さをやわらげるものとされている。本来の伝統的な粉粿は、クチナシで色を付けた黄色一色であるが、紅麹、抹茶、バタフライピーなどで色を付けた粉粿が登場し、見た目が美しく「彩虹(虹)」のようにカラフルであることから「七色彩虹粉粿」等と呼ばれSNSでの人気となった。

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本記事はTNCライフスタイル・リサーチャー(http://lifestyle.tenace.co.jp/) とインテージのグローバル・リサーチャーの共同執筆記事です。


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