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【ベトナム】“純国産ベトナム映画”に熱視線/越境ベトナム人監督&俳優が牽引するエンタメ業界

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純国産ベトナム映画が若者から注目集める

2019年4月現在、ホーチミン市内の映画館で公開されている13作品の中でも最も人気なのは、ベトナムのコメディ映画『Nha Co Khach(ゲストのいる家)』だ。ここ数年で、ドラマやコメディ、ホラーなどベトナム人が製作した純国産ベトナム映画作品が次々と公開されている。ケーブルテレビでの映画視聴やSNSでの映画情報の拡散などにより、若者を中心に人気を集めている。
2017年に大ヒットした『Co Ba Saigon(邦題:仕立て屋 サイゴンを生きる)』は、米アカデミー賞外国語作品のノミネートは逃したものの、海外の映画祭で高い評価を受けた。1969年のサイゴンのアオザイ仕立て屋を舞台にした同作のヒットの影響もあり、ベトナム国内に1960年代当時を再現し、作品世界を模した「Lua」などのカフェが各地にオープンしたほど注目され、それらのカフェは2019年現在でも若者を中心に多くの客で賑わっている。

海外移住組のベトナム人監督&俳優陣が牽引“逆輸入”で盛り上がるベトナム映画

90年代初頭までは、ベトナム映画は国営スタジオが製作を担っており、ベトナム戦争や市井の人たちの姿を伝えるドキュメンタリーやプロパガンダ要素の強い作品が年に数作品上映されるといった状況だった。2000年代に入り、海外に移住していた越境の映画監督や俳優陣がベトナムに帰国し、「逆輸入」というカタチでベトナム映画界を牽引するようになり、エンタメ業界が盛り上がり始めている。生活も豊かになり、人々が娯楽にお金を費やす余裕もできたことも大きい。
さらに、韓国系のシネコン「CGV Cinemas」がベトナムに進出し、続々とオープン。映画館で映画鑑賞をする習慣が根づいてきている。ハリウッドをはじめとする海外映画も一定の人気があるが、自分たちの言葉で、自分たちが暮らす街を舞台にした純国産映画への期待が高まっている。

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本記事はTNCライフスタイル・リサーチャー(http://lifestyle.tenace.co.jp/ )とインテージのグローバル・リサーチャーの共同執筆記事です。


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