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韓国男性はみんなメイクをしている? 韓国・中国・台湾の男性化粧品実態を比較

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K-POPの影響により、「韓国の男性はみんなメイクをしている」というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。世界的に人気のK-POPアイドルの洗練されたメイクや完璧な肌の印象から、韓国男性の美容意識は海外でも度々話題となります。
では、実際に韓国男性の間では他の東アジア各国と比べて、どの程度メイクやスキンケアが広がっているのでしょうか。この記事では、インテージの海外生活者データ「Global Viewer」(2024年)をもとに、韓国・中国・台湾の男性の美容行動を比較していきます。


1.韓国:「イメージ」と「現実」?自己管理が文化として根付く 

韓国の男性アイドルの整ったメイクや透明感のある肌は、世界中のファンに強い印象を残し、そこから「韓国の男性=化粧をしている」というイメージが広まりました。実際のところ、韓国の男性は本当に他の国よりも化粧品をたくさん使っているのでしょうか。 
中国や台湾と比べてみると、そのイメージの“現実”が見えてきます。 


インテージの海外生活者データ「Global Viewer」(2024年)(図①②)によると、 韓国の男性はスキンケアアイテム・メイクアップアイテムともに他の2カ国の男性よりも使用率が高いことを示しています。 
化粧水、乳液、美容液、オールインワン、日焼け止めなど、スキンケアアイテムの使用率が高いだけでなく、BBクリーム(使用率約3割)やリップグロス(使用率約2割)などのメイクアップ製品も使われています。

スキンケアアイテム現使用率・メイクアップアイテム現使用率(中国・韓国・台湾)

図① 中国・韓国・台湾の18~49歳男性のスキンケアアイテム使用率(左)
図② 同メイクアップアイテム使用率(右)
出典:インテージGlobal Viewer(2024年)

*Global Viewerとは

インテージがストックする11カ国(アジア・US)の生活者の様々な実態・意識に関するアンケートデータを用いて、ご課題に応じたレポートをご提供するサービス。
カバーしている項目は、各種商品・サービスカテゴリーに関する行動実態・意識、価値観・情報接触など400項目に及ぶ。

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韓国では、「肌を整える・ケアする」機能性を超えて、「肌・顔をよりよく見せる」“軽いメイク”として使われるアイテムが浸透してきているのが特徴的です。例えば最近では、トーンアップやカバー効果を持つローション(化粧水)に注目が集まっており、 オリーブヤング(韓国のドラッグストア)で売上上位の男性用ローションは肌を自然に整えるタイプのものです。また、ほんのり色づくタイプのリップバーム(いわゆるカラーリップ)も人気で、血色を自然に整える“デイリーメイク”の一部として定着しつつあります。 




OBgEの男性用カバーローション
(ローション、日焼け止め、BBクリームの3つの機能が一個にまとめたオールインワンアイテム)  




 Grafenの男性用リップバーム。ほんのり色づくタイプのいわゆるカラーリップ。  

韓国では「ナチュラルで清潔感のある印象」を重視する文化が浸透しており、「目立つ化粧」ではなく、「常に自己管理をしている」という印象を持たせるような自然的なメイクができるアイテムが好まれています。

2.中国:多様なスタイルと自己表現の広がり

中国と台湾はいずれも機能性や実用性を重視しており、上述の図①②を見るとスキンケアアイテムの使用率としては似たような水準にあります。一方メイクアップアイテムを見ると、中国の方が比較的使用率が高く、リップ、アイブロウ、マスカラなどのポイントメイクを取り入れる男性が10~15%程度います。

美容・身だしなみに関する意識(中国・韓国・台湾)

図③ 中国・韓国・台湾18~49歳男性の美容・身だしなみに関する意識 
出典:インテージGlobal Viewer(2024年)

インテージの海外生活者データ「Global Viewer」(2024年)によると、中国の男性は、外見を整えることで自分に自信を持ちたい、また他人からの印象を良くしたいという意識が強く見られます。メイクはその延長線上にあり、見た目の印象をより良くするための手段として自然に受け入れられているのかもしれません。そういった意識が影響してか、韓国のように“ナチュラルで控えめな印象”を重視するというよりも、よりはっきりとしたスタイルやアイメイクで印象を際立たせる傾向が見られます。

3.台湾:注目市場になるか

上述の図①②を見ると、台湾は3カ国の中でメイクアップアイテムの使用率が最も低いことが分かります。 一方、スキンケアアイテムの中では洗顔料の使用率が3カ国の中で最も高いという特徴があります。肌を清潔に保つことへの意識が強く、まずは“清潔であること”を大切にする文化が根付いている と言えます。 
美容行動には、一般的に「洗顔(肌を清潔にする) → 保湿(スキンケア) → メイクアップ(よりよく見せる)」というステップに分けられます。台湾の男性においては、最初のステップである洗顔がすでに広く定着しているので、今後は次のステップである保湿を中心としたスキンケア全般の利用が広がり、その先のメイクアップへと発展していく余地を十分に持つ市場と言えます。

4.結論:K-POPが作ったイメージは、完全な誤解ではない 

K-POPは「韓国の男性=化粧する」という世界的なイメージを作り出しました。データを見ても、韓国男性のスキンケア・メイクアップアイテム使用率は確かに中国・台湾と比べて高く、そのイメージは完全な誤解とは言えないようです。 とはいえ、メイクアップアイテムの使用率は、最も高いBBクリームでも約3割で、「男性みんなが化粧している」というほど浸透しているわけではありません。  
また、同じ東アジアの国々に目を向けてみると、韓国だけではなく中国や台湾でも、それぞれの文化の中で男性化粧品アイテムは確実に生活者の間で定着し始めています。「韓国だけが特別」というよりも、今や東アジア全体で“男性の美意識”が変わりつつある、そう言えるのではないでしょうか。 



  • Intage Inc

    執筆者プロフィール
    イ ソンヨン

    日本在住7年目韓国人。2025年インテージ入社。  
    コスメやスキンケアに興味があり、新しいアイテムを試すのが好き。

  • Intage Inc

    編集者プロフィール
    高浜 理沙

    日系のFMCGメーカー(化粧品、ベビー用品、食品・飲料等)のアジア・欧米でのマーケティング・リサーチ支援に従事したのち、2019年より現職にて、日系企業の海外マーケティング・リサーチのためのソリューション開発や、セミナー等の対外発信を行う。
    子どもが生まれてからは、家族と自身の心身の健康をいかに保つかが最大の関心事で、様々なグッズ・サービスを試している。

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    「出典:Global Market Surfer ●年●月●日公開
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