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【日本・韓国】便利な「半屋外ベランダ」とは?日本と韓国の洗濯習慣の違い

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1.はじめに

私たちの日常生活において、服を清潔に保つために必要不可欠である洗濯機。世界の「洗濯市場」を見てみると、2024年時点でアジアが最も大きな市場です。
「洗濯市場」とは、家庭用・業務用を問わず、衣類や繊維製品を洗うために使用される洗濯洗剤(粉末・タブレット・液体など)の販売・流通に関する市場を指します。

地域別洗濯市場規模

図1:地域別洗濯市場規模
出典:<laundry-care-market-data-and-analysis>(Statistaより引用)

アジアの中で国別に洗濯機の保有率を見てみると、韓国が最も洗濯機を保有しており、世帯保有率が97%を超えています。

アジア各国の洗濯機保有率(2024年)

図2:アジア各国の洗濯機保有率(2024年)
出典:<Commonly owned household appliances APAC 2024, by country>(Statistaより引用)

この記事では、インテージの海外生活者ビジュアルデータベース「Consumer Life Panorama(通称:CLP)」の実際の写真を元に、日本とアジア諸国で最も洗濯機の所有率が高い韓国の洗濯習慣を「洗濯機の設置場所」「洗濯物の干し方」「洗剤の保管」の3つの視点から比較していきます。

2.洗濯機の設置場所

まず、日本での洗濯機の設置場所を見ていきます。
CLPの写真を確認すると、日本では脱衣所の中に洗濯機を設置しているケースが多く見られました。入浴の際、脱いだ服をかごや洗濯機に入れ、効率よく洗濯できそうです。

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写真1:<日本>(上)間取り (下)洗濯機が置かれている場所は、お風呂の脱衣所付近が多い
出典:インテージConsumer Life Panorama

Consumer Life Panoramaとは

世界18カ国1,000名以上の生活者のビジュアルデータを蓄積した、ウェブサイト型データベース。住環境を閲覧できる3Dモデルや、各生活者の保有アイテムを撮影した2Dデータが多く搭載されており、文字や数字だけでは把握しづらい海外生活者の理解に役立つ。

本コラムで引用したようなビジュアルデータを用いて、
・海外生活者の属性別の違いを比較する
・カテゴリーの使用実態をリアルに把握する
・ターゲット生活者のライフスタイル全体を理解する
等、「現地に行かない」ホームビジット調査として活用が可能。

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これに対し韓国では、ランドリールームがあり、その中に洗濯機が設置されています。キッチン付近にランドリールームを設けているようで、脱衣所からランドリールームまで距離があるため、脱衣所で衣服を脱いだ後、かごに衣服を入れてランドリールームまで運んでいることが想像できます。写真左下の生活者宅では、大きなかごが4つありました。また、写真右下の生活者宅では、ネットのようなものに衣服を入れています。

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写真2:<韓国>(上)間取り 
(下)キッチン付近にランドリールームがあり、かごやネットを複数使用するケースが見られる
出典:インテージConsumer Life Panorama

3.洗濯物の干し方

日本ではベランダや庭での屋外干しが主流です。天気が悪い時は、浴室乾燥を用いた室内干しをしていますが、天気が良い日は屋外に干している家庭をよく見かけます。また、物干し竿は「左右に支柱がある自立型」や「壁やポールに取り付ける取り付け型」を使用している家庭が多い印象です。

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写真3:<日本>屋外ベランダに干されている洗濯物
出典:インテージConsumer Life Panorama

一方で韓国では外に面したベランダがなく、室内干しが一般的です。韓国では大気汚染粒子のミセモンジや黄砂が多いため、室内干しが主流とのことです。天候に左右されず、広いスペースで干せる点が魅力的です。

また、韓国のベランダは日本のベランダよりも広く、洗濯物を干すスペースが十分にあります。韓国におけるベランダとは、居住空間とは別に窓で区切られた半屋外のスペースを指します。日本のベランダは直接外気に触れることができるスペースですが、韓国ではガラス窓に囲われています。韓国のベランダの写真を見てみると、トランポリンや筋トレグッズを置いている家もあるほど十分なスペースがあります。物干し竿は、ベランダの天井に備え付けられています。蛇腹がついており、高さ変更も可能です。日本でよく見る物干し竿とは異なっています。また、持ち運びできる小型の物干し竿を室内で使う家もあるようです。

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写真4:<韓国>(左)半屋外ベランダに干された洗濯物
高さ変更ができる物干し竿が設置されている
(右)持ち運びできる物干し竿も置かれている
出典:インテージConsumer Life Panorama

4.洗剤の保管場所

日本では、洗面台の下や洗濯機横の収納棚に洗剤を置いています。洗濯機の付近に直置きしている家も見られました。

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写真5:<日本>洗濯機付近の棚や床に置かれた洗濯洗剤
出典:インテージConsumer Life Panorama

一方、韓国では洗濯機の上に直接置いています。日本と異なり、韓国では「ドラム式洗濯機」が主流であり、洗濯機上部のスペースを有効活用しているようです。日本と大きな違いはなく、洗濯機周辺に洗剤を収納しています。

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写真6:<韓国>洗濯機の上に置かれた洗濯洗剤
出典:インテージConsumer Life Panorama

(参考)主要な洗濯機メーカー
日本と韓国で保有されている洗濯機ブランドを調べてみると、どちらも国産ブランドを保有している方が多いです。
日本では、HITACHIとPanasonicが2割台、SHARP とTOSHIBAが1割台と主要メーカーが分散しています。

日本における洗濯機保有ブランド(2025年)

図3:日本における洗濯機保有ブランド(2025年)
出典:<Washing machine ownership by brand in Japan as of June 2025>(Statistaより引用)

CLPの写真を確認すると、上位4メーカーの洗濯機を使っている様子が確認できました。

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写真7:<日本>HITACHI、Panasonic、SHARP、TOSHIBAの洗濯機
出典:インテージConsumer Life Panorama

一方で韓国は、LG(5)Samsung(4)でおよそ9割を占めています。他のブランドが入る余地はなさそうです。

韓国における洗濯機保有ブランド(2025年)

図4:韓国における洗濯機保有ブランド(2025年)
出典:<Washing machine ownership by brand in South Korea as of June 2025>(Statistaより引用)

CLPの写真を確認すると、LGやSAMSUNGの洗濯機を使っている様子が確認できました。

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写真8:<韓国>LG, Samsungの洗濯機
出典:インテージConsumer Life Panorama

5.終わりに

日本と韓国では住まいや気候の違いから、洗濯機の置き場や洗濯物を干す場所で違いがあることが分かりました。この記事が韓国の生活者を理解する一助になれば幸いです。

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  • Intage Inc

    執筆者プロフィール
    小林 萌々花

    2024年インテージ入社。電機業界を中心にDCG領域のマーケティングリサーチに携わる。

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    編集者プロフィール
    高橋 謙一郎

    株式会社インテージ グローバル事業本部 海外事業推進部 事業企画グループ


    モビリティ業界のグローバルリサーチに数多く従事したのち、2023年より海外事業推進、グローバルリサーチサービスの整備、新ソリューション開発に取り組んでいる。

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    「出典:Global Market Surfer ●年●月●日公開
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