記事詳細

Last updatedcalendar_month2026/04/20東南アジアで進む“化粧品の次” ベトナムの美容医療需要を読み解く

images

近年、東南アジアに日本の美容医療が進出しているというニュースに触れるようになりました。化粧品からさらに踏み込んだ美容医療で解決するというムーブメントが東南アジアで拡大している背景には、何があるのでしょうか。
本記事では、ベトナムにおける美容医療でピーリング経験者が突出していることから、その裏にあるベトナムの肌事情などを、現地スタッフの意見とインテージが所有する海外生活者データ「Global Viewer」のデータから考察していきます。


1.アジア各国の美容医療浸透状況

各国の美容医療経験で、最も多いのは「美容医療の経験なし」です。
美容医療の内容によっては国ごとに2割程度の経験者が散見される中、「ピーリング」に関してはベトナム女性の3割強が施術経験者ということが明らかになりました

過去に受けたことのある美容医療(複数選択)(ベース:各国18~64歳女性)

図1:過去に受けたことのある美容医療(複数選択)(ベース:各国18~64歳女性)
出典:インテージGlobal Viewer(2025年)

海外生活者データで、意思決定をスマートに加速
Global Viewer

インテージがストックする11カ国(アジア・US)の生活者の様々な実態・意識に関するアンケートデータを用いて、ご課題に応じたレポートをご提供するサービス。
カバーしている項目は、各種商品・サービスカテゴリーに関する行動実態・意識、価値観・情報接触など400項目に及ぶ。

images

2.ベトナムにおける美容医療の浸透状況(年代別)

では、ベトナム女性の年代別に受けたことのある美容医療を見てみます。
やはりここでも20代、30代、50代で3割程度。40代では40%以上がピーリング経験者という結果になりました。10代でも20%弱がピーリング経験者です。

過去に受けたことのある美容医療(複数選択)(ベース:ベトナム18~64歳女性)

図2:過去に受けたことのある美容医療(複数選択)(ベース:ベトナム18~64歳女性)
※TOTAL上位5位の項目に限定して表示
出典:インテージGlobal Viewer(2025年)

3.なぜベトナムでは「ピーリング」に人気が集中するのか?

ベトナム人女性の間で、ピーリングがなぜここまで人気が高いのでしょうか。その理由を、インテージベトナムの現地法人スタッフに質問してみました。

「美容医療・ピーリングについて、確かにベトナムでは日本より関心が高いように思います。ニキビで悩んでいる人が多く、ニキビで皮膚科にかかる人もとても多いです。ベトナム人はカンボジアやインドネシアとは違い、8割以上をキン族が占めています。キン族の肌は、ちょっと日焼けした日本人ぐらいの肌のため、もともと日差しや暑さに対して強い肌ではないのかもしれません。日焼けやシミも普段からとても注意をはらって予防していますが、ベトナムのあまりの日差しの強さに防ぎきれないです。ピーリングはコストも1回3,000円くらいからと、試しやすい価格です。」

他のアジア各国でもニキビは肌悩みの上位になる傾向がありますが、その中でもベトナムにおいてピーリングが好まれている理由は以下であることが推察できます。

①民族的に肌が弱く、ニキビができやすい。
②環境的にも日差しが強く、日焼けやシミを防ぎきれていない。
③施術コストが安価である。

4.ベトナム女性はどのように美容に関する情報を入手しているのか?

最後にどのような経路でベトナム人女性は美容医療の情報を入手しているのかを見てみましょう。
以下は「美容に関して最も参考にしている情報源」のデータTOP10です。

美容に関して最も参考にしている情報 (単一選択)(ベース:ベトナム18~64歳女性)

図3:美容に関して最も参考にしている情報 (単一選択)(ベース:ベトナム18~64歳女性)
※TOTAL上位10位の項目に限定して表示
出典:インテージGlobal Viewer(2025年)

TOTALでは「友人・知人からの口コミ」がトップで、50代を除いて各年代の10%以上が美容情報源として最も参考にしています。50代は「口コミ」の代わりに「専門家が発信する情報」「テレビ」が約20%と強いです。「専門家が発信する情報」は10代でも10%強で、最もニキビに悩む年代として専門的知識を取り入れようとしているのかもしれません。
また、「インフルエンサーのSNS・動画・ライブ配信」が10代・20代で10%強、「インターネット通販サイトの口コミ」が30代・40代で10%強と、10~40代はインターネット上の情報とリアルの口コミをどちらもうまく使いこなしている姿が見えてきます。

5.まとめ

古い角質や毛穴の詰まりを取り除くピーリングは、ニキビの直接的な治療・予防として非常に合理的です。
また、同時にメラニンを排出したり剥がしたりすることから生まれる日焼けやシミへの効果もあります。そして、施術コストが安価なことであることが、ピーリング人気に拍車をかけたのではないでしょうか。
ベトナムの女性たちが「あそこのピーリング、すごくよかったよ!」とおしゃべりしている姿を読者の皆に想像していただくことはできましたでしょうか。



  • Intage Inc

    執筆者プロフィール
    竹谷 絢子

    モビリティのグローバルリサーチに従事したのち、現在は化粧品のグローバルリサーチ担当。
    美容医療でシミを取りたいと本気で思っています。若いときになんで一生懸命日焼けしちゃったんだろう。

  • Intage Inc

    編集者プロフィール
    高浜 理沙

    日系のFMCGメーカー(化粧品、ベビー用品、食品・飲料等)のアジア・欧米でのマーケティング・リサーチ支援に従事したのち、2019年より現職にて、日系企業の海外マーケティング・リサーチのためのソリューション開発や、セミナー等の対外発信を行う。
    子どもが生まれてからは、家族と自身の心身の健康をいかに保つかが最大の関心事で、様々なグッズ・サービスを試している。