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Last updatedcalendar_month2026/04/27各国のスマートホーム事情  ―インド・ベトナムの価値観と導入状況―

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1.はじめに

皆さんは、「スマートホーム」という名称を聞いたことがありますか。
スマートホームとは、住宅設備や家電をインターネットに接続することで、スマートフォンや音声で操作できる快適で便利な住まいのことです。例えば、音声で部屋や家電を操作することや、スマートフォン操作で家に着く前にエアコンをつけておくことなどが可能です。

今、世界中でスマートホームの需要が年々上がっています。
世界のスマートホームユーザー数は、2018年で約800万人でしたが、2029年には19億人を突破すると予想されています。 

世界のスマートホームユーザー

図1:世界のスマートホームユーザー(2018年~2029年)
出展:<Number of users of smart homes worldwide from 2018 to 2029(in millions)>
(Statistaより引用)

本記事では、世界中で伸びているスマートホームについて、以下の3つの観点で言及していきます。
①スマートホームの種類
②スマートホームに対する各国の意識の違い
③スマートホームの保有実態(インド・ベトナム)

2.スマートホームの種類

スマートホームは主に6つに分かれています。

<スマートホームの種類>
バーチャル・アシスタント内蔵スマートスピーカー:家庭内の機器同士をネットワークで繋ぎ、管理や制御ができる仕組み
(例:Amazon Echo)

セキュリティ:インターネットに接続して建物や敷地を管理するための機器
(例:コネクテッド煙探知機、コネクテッドカメラ)

ホームエンターテインメント:音源から聴衆に音を届けるための機器や接続型リモコン、ストリーミングデバイス
(例:Bluetoothスピーカー、スマートTV、ストリーミングデバイス)

エネルギー管理:エネルギー消費の削減・制御を目的とした製品
(例:コネクテッド・サーモスタット、温度センサー)

スマート家電:インターネットに接続されている家電
(例:ロボット掃除機、スマート電子レンジ)

電気・照明:スマートフォンのアプリで一括把握や、遠隔操作や音声制御
(例:スマートプラグ、コネクテッド電球など)

出典:<Smart Home - Worldwide>(Statistaより引用)

本記事では、上記の6種類をスマートホームと捉えてみていきます。

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イメージ図:生成AIにて作成

3.スマートホームに対する各国の意識の違い

まず、スマートホーム導入に対する考え方についてアジアの主要な国別に見てみましょう。インド・ベトナムでは「お金をかけてでも積極的に取り入れたい」と4割程度が回答しており、他国で該当者が1~2割台であることと比べると、スマートホーム導入に意欲的です。また、台湾・フィリピン・中国・タイでは「費用の負担がない範囲で取り入れたい」と約6割が回答しています。インドやベトナムほどではないですが、スマートホーム導入に対して一定の関心がみられます。  
一方で日本は、「スマートホームデバイス製品は全く必要ない」が3.5割と他国と比べて最も高く、「追加の費用をかけてまで取り入れるつもりはない」が3割と続きます。日本では約6割がスマートホームに対して消極的です。日本人は既にある国内の家電製品の機能で満足しているため、スマートホームデバイスを必要だと思っていない可能性があります。

スマートホーム導入意向(SA)

図2:スマートホーム導入意向(SA)(赤字=TOTALと比べて10pt以上高い)
出典:インテージGlobal Viewer(2025年  )

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次に、スマートホーム導入意向が高いインド・ベトナムに着目して、スマートホームに対する考え方を見ていきます。
インド・ベトナムでは「自宅のスマート家電や機器は節約に役立つ」と考えている人がTOTALと比較して多くみられます。また、「環境にやさしい家にすることは重要」だとも考えており、スマートホームに対して好意的です。インドとベトナムは、世界環境指数のランキングが低い国です。日頃から環境意識の課題を抱いている国だからこそ、スマートホーム導入に対して意欲があるのかもしれません。
またインドでは上記以外に、「家の安全性は特に重要」「家庭製品をインターネットに接続できるのがいい」との考え方もみられます。治安の悪いインドでは*1、防犯対策としてスマートホーム機器を活用しているようです。外出中でも、センサーやカメラで侵入者がいないか確認することも可能です。また、万が一侵入された場合でもスマートフォンに通知が入るため、すぐに異変に気付くことができます。一方で、「デバイスを通じて監視されるのが心配」「自宅をスマートホーム化するには費用が掛かりすぎる」といった懸念も一定数みられています。スマートカメラやスピーカーを通じて、家の情報が流出する恐れも考えていそうです。

*1 https://www.economicsandpeace.org/global-peace-index/

スマートホームに対する考え方(MA)

図3:スマートホームに対する考え方(MA)(赤字=TOTALと比べて10pt以上高い)
出典:インテージGlobal Viewer(2025年)

4.スマートホームの保有実態(インド・ベトナム)

スマートホームに関心が高いインド・ベトナムのスマートホーム導入状況をみてみると、共に約9割がスマートホーム機器を導入しています。保有機器は、スマートホーム導入意向の高さに関わらずTOTALと同傾向で、「ホームエンターテインメント」の保有が最も高いことから、まずは日常の便利さよりも娯楽関連の利便性を求めているようです。  また「セキュリティ」「電気・照明」の保有が多いことから、日常生活の不便を解消する手段として活用されていると考えられます。

スマートホーム機器 世帯保有率

図4:スマートホーム機器 世帯保有率 
出典:インテージGlobal Viewer(2025年)

世帯保有スマートホーム機器

図5:世帯保有スマートホーム機器(赤字=TOTALと比べて10pt以上高い)
出典:インテージGlobal Viewer(2025年)

それでは、実際のインテージが保有する海外生活者ビジュアルデータベース「Consumer Life Panorama(通称:CLP)」を用いて、スマートホームの例を見てみましょう。

インドでは、スマート照明を取り入れている家庭がありました。このパネルを使うことで、カーテンの開閉やエアコンの設定もできそうです。部屋のドアの横やベッドの横に操作パネルがありました。睡眠時の消灯に便利そうです。

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出典:Consumer Life PanoramaIN_220

また、スマートロックやスマートスピーカーも使用しています。 

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出典:Consumer Life Panorama(左・IN_220、右・IN_217)

Consumer Life Panoramaとは

世界18カ国1,000名以上の生活者のビジュアルデータを蓄積した、ウェブサイト型データベース。住環境を閲覧できる3Dモデルや、各生活者の保有アイテムを撮影した2Dデータが多く搭載されており、文字や数字だけでは把握しづらい海外生活者の理解に役立つ。

本コラムで引用したようなビジュアルデータを用いて、
・海外生活者の属性別の違いを比較する
・カテゴリーの使用実態をリアルに把握する
・ターゲット生活者のライフスタイル全体を理解する
等、「現地に行かない」ホームビジット調査として活用が可能。

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次にベトナムの例をみてみましょう。ベトナムのある家では、玄関から入ってすぐの場所に位置する電源タップにスマートハブが差し込まれていました。

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また、スマートハブとカーテン横にある機械がコードで繋がれており、カーテンが電動で動く仕組みのようです。

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出典:Consumer Life PanoramaVN_115

また、リビングにスマートカメラを設置している家もありました。

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出典:Consumer Life PanoramaVN_144

5.まとめ

スマートホームへの関心が高いインド・ベトナムの導入状況について言及してきました。
技術の発展に伴い、スマートホーム導入は更に進んでいくと考えられます。本記事がアジア圏のスマートホーム導入実態を理解する一助になれば幸いです。



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    執筆者プロフィール
    小林 萌々花

    2024年インテージ入社。電機業界を中心にDCG領域のマーケティングリサーチに携わる。

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    編集者プロフィール
    チュウ フォンタット

    日本在住14年目マレーシア人リサーチャー。ASEAN各国の調査を多く担当しています。