
世界20億人のムスリム消費をどう捉える? 共通する価値観と4カ国の違い
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calendar_month2026/08/14
世界のムスリム(イスラム教を信仰する人々)人口は、2020年時点で約20億人に達し、世界人口の25.6%を占めています。2010年から2020年の10年間で約3億4,700万人増加し、主要宗教の中で最も速く成長した宗教となりました。市場規模の面でも、ムスリム消費は無視できない存在です。『State of the Global Islamic Economy Report 2024/25』によると、ハラール食品、医薬品、化粧品、モデストファッション、旅行、メディア・娯楽などにおけるムスリムの消費支出は、2023年に2.43兆ドル(約384兆円)に達しました。2028年には3.36兆ドル(約530兆円)へ拡大すると予測されています。
ただし、ムスリム市場を「豚肉やアルコールを避ける人たちの市場」とだけ捉えるのは十分ではありません。イスラムの教えは、食だけではなく、化粧品、ファッション、旅行、金融、住居、結婚、家族との過ごし方など、生活の幅広い場面に関係しています。一方で、約20億人のムスリムを一枚岩の市場として見ることもできません。同じイスラム教徒であっても、宗教規範の受け止め方や実践の程度は個人によって異なります。また、国の制度、民族構成、所得、都市化、家族観、世代によっても、生活と消費の形は大きく変わります。
つまり、ムスリム市場は「巨大だから見るべき市場」であるだけではなく、「宗教と生活がどのように消費につながるかを理解すべき市場」です。本記事では、サウジアラビア、インドネシア、マレーシア、UAE(アラブ首長国連邦)の4カ国を比較しながら共通する価値観や違いを紐解きます。