
1.はじめに
仕事終わりの一杯、休日の家飲み、友人との乾杯など、皆さんはどのような時にビールを飲みたくなりますか。日本では「とりあえず生(ビール)」という言葉に象徴されるように、ビールは乾杯の定番として親しまれています。居酒屋で友人や同僚と飲むほかにも、一日の終わりに自宅でビールを楽しむ人も多いでしょう。
では、海外ではどうでしょうか。国が変わってもビールは日本と同じような場所やタイミングで飲まれているのでしょうか。
インテージが保有する海外生活者データ「Global Viewer(2025年)」によると、調査対象となった13カ国のうち、「過去1カ月のビール購入率」が最も高かったのは中国でした。購入率は48.3%で、日本の25.9%と比べ、2倍近い水準です。
そこで今回は、同じ東アジアに位置しながら、ビールの購入率に大きな差が見られた中国と日本に注目します。両国を比べると、購入率だけではなくビールを飲む場所やタイミング、目的にも違いがあることが見えてきます。本記事では、両国におけるビールの飲み方や役割の違いをひも解いていきます。
2.中国と日本:アルコールに対する意識を比較
まず、中国と日本におけるアルコールに対する意識を比較分析します。
「アルコール飲料は飲めた方が良いと思う」という設問に対し、「非常にあてはまる」と「あてはまる」とした回答率は、中国で32.3%、日本で36.2%と両国ともに同程度が飲めた方が良いと思っている結果となりました。
一方、「アルコール飲料は人とのコミュニケーションには必要である」という設問に対しては、中国が43.7%、日本が35.1%と、中国の方が8.6%も高い回答率となりました。
このデータから、中国は日本以上に「人とのコミュニケーション・交流にお酒が必要」と考えている人が多いことが見て取れます。つまり、個人がアルコール飲料を飲めること以上に、「人と一緒に飲む場におけるアルコール飲料の必要性」を高くとらえている可能性があります。
このことから、中国ではビールの味わいや品質・製法だけではなく、「誰と飲むのか」「どのような時間を一緒に過ごすのか」も、ビールの楽しみ方を知るうえで大切なポイントといえるでしょう。

図1:設問①アルコール飲料は飲めた方が良いと思う/
設問②アルコール飲料は人とのコミュニケーションに必要である(SA)
出典:インテージ Global Viewer(2025年)
注:「非常にあてはまる」と「あてはまる」の合計。回答ベースは18~64歳。
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3.ビールを飲む場所・タイミング・目的から見えてくるもの
本項では、中国と日本における「ビールの飲用場所」「ビールの飲用タイミング・目的」を比較します。
まず「ビールの飲用場所」に関する調査データによると、日本は「自分の家(96.2%)」との回答が調査した13カ国のなかで最も高い結果となりました。一方、中国は「レストラン(38.8%)」や「バー・パブ(23.9%)」と自宅ではなくお店で飲む機会が多いことが見て取れます。

図2:ビールの飲用場所【ベース:各カテゴリー過去1か月飲用者】
出典:インテージ Global Viewer(2025年)
次に「ビールの飲用タイミング・目的」を比較します。特筆すべき回答率として、中国は日本と比べ「食事中(外食)」が48.9%と日本の29.4%と比較すると、2倍近くが外食で飲用していることが分かります。また「親交を深めたい時」に飲むとの回答した割合も中国が16.9%と、日本の6.7%と比較して2倍以上も多い結果となっています。
一方で「仕事の後」は中国が7.5%に対し、日本は12.5%、「就寝前」は中国が5.2%に対して日本は11.5%と、こちらは日本の方が中国より2倍近く多い回答率となりました。

図3:ビールの飲用タイミング・目的(MA)【ベース:各カテゴリー過去1か月飲用者】
出典:インテージ Global Viewer(2025年)
以上の数値から読み取れる点として、日本は仕事の後や就寝前など一日頑張ったあとの「ご褒美」としてビールを飲用する傾向があり、中国は外での外食などで「コミュニケーションツール」として飲用していることがうかがえます。
4.まとめ:ビールがつくる「ご褒美の時間」と「人とのつながり」
ここまで、中国と日本におけるビールの飲み方の違いを比較してきました。飲用シーンや目的に関するデータからは、日本では仕事の後や就寝前など、一日を終えた後の「ご褒美」として楽しまれる傾向が見られます。一方、中国では外食や親交を深めたいときに飲まれる割合が日本より高く、人との交流を深める「コミュニケーションツール」としての役割が、より強く表れていることが分かりました。
もちろん、日本でもビールは乾杯や会食など、人とのコミュニケーションの場で親しまれています。ただし、今回のデータを比べると、中国では日本以上に、ビールが「人と人をつなぐ飲み物」として受け入れられていることがうかがえます。
このように、国によって異なる飲用シーンや目的に目を向けることで、それぞれのビール文化をより深く知ることができるのではないでしょうか。






